管理釣り場には養殖もののイトウが放流されている所があり、そういった魚を狙うには、ちょっと大きめなミノープラグを使うのが定番なようです。
私自身は、管理釣り場でイトウが釣ったことは一度もないのですが、ミノーを投げてチョンチョンとアクションをつける釣り方をしてイトウ釣っている人を見かけたことはありますから、釣れるには釣れる方法であることは間違いないと思います。
しかし、よくよく考えてみると、これはちょっと不思議な話だとと思います。
養殖もののイトウは、小魚を食べて育ったわけではなく、基本的にはペレットを食べていたはずです。
それも、もう何代にも渡ってペレットで育ってきたようなものでしょう。
その証拠にペレット食に特化した養殖ニジマスと同じように、頭が潰れ丸くなった個体がよく見られます。
そういった魚が放流された途端に、小魚を模したミノープラグに食いつくようになるとは、何とも不思議な話ではありませんか。
普通に食欲に訴えかけて釣るなら、ペレットカラーの小さなスプーンあたりの方が良いのではないでしょうか。
放流された小さなニジマスを食べているからミノーが良いなんて話も聞きますが、そういった行動をとるのは、ごくごく一部の魚だけだと思います。
それなのに、ちょっと大きめのミノーで釣れるとは、川で暴れまわっていた御先祖様の習性が甦るのでしょうか。
それとも、単に反射的に威嚇するような形で、ミノーに食いつくのでしょうか。
ルアーというものは、エサに似ていれば釣れるものではないわけですが、管釣りのイトウがミノーで釣れてしまうのは、顕著にそういった面が表れている不思議な釣りだと思います。