釣りは海でも川でも湖でもできるものですが、近頃は海釣りと川や湖の淡水の釣りと間に人気の差があるような気がしてなりません。
例えば、釣り具屋を覗いてみると、相当な内陸部ではない限り、ほとんどのお店で川釣り用品よりも海釣り用品の方が多く置かれているのではないでしょうか。
海まで何十キロも離れているような街の釣り具屋でも、海釣り用品の方が多く売られていたりします。
それから、ルアーフィッシングというと、今の時代では圧倒的に淡水よりも海でやる方が人気があるはずです。
売られているタックルやルアーの充実度を見ていても、日本のルアー釣りは今やソルトの釣りがメインになったと言えるのではないでしょうか。
数十年前までは、海でルアーをやる人は、ある程度淡水でやった人が、さらなる大物を求めてやるようなイメージの釣りでしたが、今はいきなり海から始める人も多いはずです。
YouTubeなんかで爆発的に人気が出る動画も、海でのルアー釣りの動画が多いのではないでしょうか。
それくらい、釣りと言ったら海を思い浮かべるのが、当たり前になってきていると思います。
このように年々、日本の釣りが海釣りに偏っていっているのは、この国の環境が原因だと思います。
日本は、山林が豊富で四方を海に囲まれていて、一見川釣りも海釣りも楽しめそうな土地です。
しかし、その山林の広範囲に人の手が入っていて自然の山は少なく、健全な水を産み出す役割を果たせていません。
加えて川はダムだらけ護岸だらけで、水路のようになり、魚が住みにくくなっています。
自然とは程遠い死んだ川が溢れかえっている状態ですから、魚が殖えることは少なく、釣るための魚は放流に頼っている場所が少なくありません。
要するに、川で釣りをしても、ろくに魚が釣れないことが多いのです。
それに比べれば、海だって環境破壊は進んでいるはずではあるものの、まだまだ魚が釣れやすいですし、食べても美味しい魚が多いですから、魚を食べるのが好きな人の多い日本では、海釣りの方が人気が出るのは当然な気がします。
ですから、川で釣りをしているような人は、もうかなりマニアックな存在なのでしょう。
魚がろくに釣れないのに、せっせと道具を買い、お金をかけて釣り場に通っているのですから、世間からは奇人・変人の類だと見なされているかもしれません。
やっている本人達からしてみれば、川には川の魅力があり、とても海でなんて釣りをする気にはなれないものですが、そんな気持ちはなかなか理解してもらえないかもしれません。
まあ、理解してもらえない方が良いのかもしれないと、私は思いますけどね。
これ以上多くの釣り人を受け入れるだけの余裕は日本の川にはないですから、マニアックなくらいで調度良いと思います。