この国では、基本的に川に入ったシロサケを釣ることは、法律で禁止されています。
うっかりやってしまうと、普通に逮捕されます。
この法律を変えないままで、何とか釣りをできるようにしたのが、サケ有効利用調査というやつで、表向き釣獲調査という形で、釣り人にサケを釣らせるものです。
1990年代の北海道の忠類川から始まり、この制度を利用したサケ釣りができる川は全国に沢山できました。
しかし、近頃はやめてしまう場所も多くなってきています。
関東では新規に始める場所もありますが、全国的にはやめてしまった場所の方が多いでしょうし、「もうそろそろやめようか」と言っているらしい場所もあると聞かれます。
福島県の川は別の理由でしたが、このようにサケ有効利用調査をやめるもしくはやめようかと検討する理由は、お客さんがあまり来なくなったからと言う理由が大きいかもしれません。
あまり人が来ないなら、わざわざもうやらないでもいいかという話です。
では、どうしてあまり人気がなくなってしまったかというと、やはり魚がシロサケだったからだと私は思いますね。
川に入ったシロサケは、ブナと呼ばれる婚姻色がでていて、あまり綺麗な魚ではありません。
ルアーやフライへの反応もそこまで良くなく、無理矢理くわえさせるような渋い釣りです。
また、お土産に魚が貰える所もあるようですが、食べても美味しいものとは言えません。
こうなってくると、最初は川でサケが釣れると物珍しさから駆け付けた人達も、すぐに飽きてしまったり、どうしても毎年釣りたいとは思わないのではないでしょうか。
シロサケだって、サーモンには違いないですが、釣り人が想像するような、ギンピカのシルバーサーモンが暴れまわったり、巨大なキングサーモンが釣れる北米のサーモンフィッシングとは、あまりに違う釣りなわけで、「これじゃない感」があるのは否めないでしょう。実際に海外でも、チャムサーモン釣りはあまり人気がないようです。
それでも、たまには釣りたくはなったりするかもしれませんが、絶対に毎年釣りたいと思う人は少ないはずで、人気がなくなるのはよく分かる気がします。
私なんかも、「とりあえず申し込んでおいけど行かない」ということはよくありましたから、この釣りに沢山の釣り人を夢中にさせるほどの物凄い力はないのだと思います。
そんなわけで、これからもサケ有効利用調査が下火になっていく傾向は続いていくのではないでしょうか。