サケ(サーモン)の仲間は、海から川に遡上を始めると、基本的には餌を摂らないと言われています。
ですから、サケの仲間を川でルアーで釣るとなると、単純な食欲からくる反応は望めなくなり、ちょっと難しい釣りとなるわけです。
日本では基本的に川で鮭の仲間を釣ることは禁じられていますが、有効利用調査などという名前で、表向きは調査とすることで釣りが許可されている場所があります。
こういったことを最初に始めたのは、北海道の忠類川であり、その動きは全国に拡がっていきました。
一時期は、かなりたくさんの場所で行われていましたが、目新しさが無くなり利用者が減ったためか、終了した河川も増えてきています。
近年、関東圏だけは有効利用調査を行う川が増えているようですが、地方では減ってきているようです。
こういった川でルアーでサケを釣る場合、ほとんどの場所では、スプーンなどのルアーを、底を転がすという釣りを行うことになります。
底を転がす釣りとは、スプーンをキャストして底まで沈めたら、リトリーブするのではなく、川の流れを利用して川底を這うようにして動かし、リールはラインの弛みをとる時だけ巻くというものです。
このようにスプーンを操作すると、サケの目の前をスプーンが通過することになり、反射的に食いつくことがあるため、餌を摂らないはずのサケも釣れるということになっています。
しかし、この反射的に食いつくという行動も、川に入って時間が経つほど、しなくなってくるようです。
以前、栃木県の思川というかなり海から距離のある場所にサケ釣りにいったことがありますが、とてつもなくルアーへの反応が悪かったです。
スレで釣っている人も多く、もうサケ釣りというより、サケ引っ掛け大会のようになっていました。
一方で、茨城県の久慈川という場所では、河口近くの護岸の上から釣りをすることができ、スプーンをキャストしてリトリーブしてくるという、最早サケ釣りではない、普通のトラウトフィッシングやシーバス釣りのような感覚で釣れました。
やはり、海から近くの釣り場を選んだ方が、ちゃんとルアーに食いつかせて釣り易いのではないでしょうか。
ちなみに、川でルアーに反応が良い順にサーモンの仲間を並べると、カラフトマス→キングサーモン→シロサケ→シルバーサーモン→レッドサーモンだそうです。
この中で日本の川で釣れるのは、基本的にシロサケかカラフトマスでしょう。
一番目と三番目に反応が良い魚なのですから、それほど難しい釣りではないということなのかもしれませんが、難しさを感じてしまうのは、海外のように魚が沢山いないからでしょうか。