今年の冬は暖冬だと言われています。
実際に気温が高く雪も少なく、「あんまり寒くないなぁ」と思いながら、元気に釣りを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。
暖冬が釣りに与える影響。
氷上のワカサギ釣りなど寒くないと出来ない釣りは暖冬だと困るものですが、冬があまり寒くないと、釣りにプラスに働くことも少なくありません。
まず、あまり寒くないと人間の活性が上り、釣りに行きや易くなります。
あまりに寒いと、余程根性の入った人しか真冬は釣りはできないものですが、今年のような暖冬なら釣りをする気になる人も多いはずです。
それから、冷え込みが弱いと、低水温に弱い種類の魚は活性が下がりにくくなり、通常の冬より釣り易くなるかもしれません。
さらに、北海道などの冬は川が凍り釣りができなくなる地域では、凍る期間が短くなり釣りが長く楽しめるようになるなんてこともあります。
温暖化の影響か。
このように暖冬だと釣りの楽しみが増える可能性があるわけですが、そう言えば、去年の冬もあまり寒くなく、雪も少なかった地域が多かった気がしませんか?
たまに暖冬の年があるくらいなら良いのかもしれませんが、これはもしかしたら地球温暖化というやつが、本当に進んできているということなのかもしれません。
こうなってくると、釣りにも様々な悪影響が出てくる可能性が考えられます。
まず、温暖化が進むと、魚の種類によっては、生息域が変わったり、小型化する可能性があります。
それから、魚そのものが居なくなってしまう可能性もあります。
例えば、去年の冬は北海道では雪が少なく、春先の川の水位が低かったものです。
このような状態だったため、春に川の上流に上り産卵するイトウという魚は、川の上流まで行けずに産卵出来なかった個体もいたのではないかと言われています。
暖冬で雪が少なく、春先にこのような状態が度々起こるようになれば、イトウは自然に絶滅するでしょう。
このように温暖化が生態系に与える影響は少なくなく、このまま温暖化が進めば、もう釣れなくなってしまう魚も沢山出てくるのかもしれません。
それでは、「釣り人の皆さんはもっと環境問題に関心を持ち、行動を起こしましょう」と言うのが正しいのかと言うと、そうでもない気が私はしてしまいます。
そもそも、地球温暖化が人間が原因なのか自然現象なのかは意見が分かれているもののようですし、もし人間が原因だとしても、環境問題というものは、ちょっとした行動程度のことではもうどうにもならないでしょう。
本気で地球を守るつもりなら、人間を減らすか絶滅させるしか方法はないはずです。
そのようなことは不可能なのですから、このようになってしまった責任が自分にもあることを忘れずに感じつつ、滅びゆく地球で今しかできない釣りをするしかないのではないでしょうか。
長い目で見れば、地球も人間も魚も、いつかは滅びるのですし、人間も生物であり自然の一部なのですから、滅びる原因が人間であったとしても、もしかしたら自然なことだったのかもしれません。