釣りの釣果の写真というと、昔は魚をワシ掴みにして持ったり、陸に転がして泥だらけにしたり、死んだ魚を並べたりするものが多かったものですが、現在ではそういったものは少なくなってきています。
倫理面や魚の保護という観点から、「魚はできる限り水に浸けて写真に撮りましょう」という考え方が主流になってきて、特に淡水の釣りでは魚を水に浸けて写真が撮られることが増えてきていると思います。
釣り雑誌などの写真を見てみても、今ではほぼ魚が水に浸かった写真しか載っておらず、陸に上げた写真などを使おうものなら炎上してしまいそうで、もう使えない時代になったのだと思います。
そんなわけで、多くの釣り人が魚を水に浸けて写真を撮る時代になったようですが、ただ魚を水に浸けて写真を撮っただけでは、綺麗で活き活きとした魚の写真が撮れないこともあります。
それは、魚がファイトしたことによりちょっと疲れている時で、魚の目が死んだような表情になってしまっていることがあるからです。
元気な魚というものは、横にすると目がやや下を向くものですが、これが疲れていると正面を向きがちになり、ちょっと死んだ魚の目の状態に近くなってしまいます。
この状態で写真を撮っても、なんだか見ていられない気分になりますし、他人に見せても「死んでるんじゃないの?」と誤解されかねません。
こんな時は、魚をネットに入れたまま、できる限り川の流れの中に深く入れて、しばらくしっかりと休ませてから、魚を寝かせると、活き活きとした表情に戻すことができます。
魚からしてみれば、「ごちゃごちゃやってないで、さっさと逃がしてくれや」といった感じで迷惑極まりない話かもしれませんが、アップアップの状態で写真を撮るよりはダメージも少ないはずですから、申しわけないですが、ちょっとだけお付き合いしていただきたいところです。