本州の渓流には、放流日直後しか魚が居ないというような川が沢山あります。
これは、そもそも天然魚が絶滅状態かそれに近い状態であり、逃がされた魚も沢山の釣り人が一瞬で釣り切り、持って帰ってしまうという状態です。
釣り具屋で入漁券を買おうとしたら、「解禁日と追加放流日以外は、まず魚が居ないから、ここはやめておけ」と言われて買えなかったなんて話を聞くくらいですから、こういった状態の川は結構あるものなのでしょう。
それにしても、このような川で行われていることは、本当に渓流釣りと呼んでよいのでしょうか?
「逃がされた養殖魚をすぐ釣って、持って帰って食べる」
場所こそは渓流であるものの、どう考えても釣り堀や管理釣り場と同じ構造ではないでしょうか。
これが、釣り人が釣ったとしてもリリースするのなら、川で野生化したり再生産する魚がでてきて、ちょっとは渓流らしい釣りができるような場所になるのかもしれません。
しかし、魚を逃がしたそばから、釣り人が押し掛け、魚を持って帰るのでは、川で釣り堀をやっているようなものです。
わざわざこんなことをするのなら、始めから釣り堀に行った方がよいはずなのに、この「放流魚ぶったくり」の釣りがなくなることはありません。
これは、釣り堀に行くよりも、川に行った方が、入漁料が安いことが多いからだと思います。
また、場所によっては釣り堀ほどの匹数制限がなく、大量に魚を持ち帰ることも可能なことも、ぶったくり派が川に来る理由だと思います。
つまり、「安く大量に魚をゲットしたい」という、昔の日本から続く貧乏人根性のようなものを持った釣り人が、まだまだ現存しているために、放流魚を逃がしたそばから釣り切るような渓流があるのだと思います。
もう昔のように沢山の人が食料に困るような時代でもないわけですし、いい加減このような釣りは、卑しくてしょうがないからやめるべきだと思うのですが、まだまだ無くなる気配はありません。
もう、日本人の貧乏人根性は、なかなか深く根付いているのだなぁ、と感心せざるを得ませんね。