とある渓流を管轄する漁協のインフォメーションを見ていたら、今年から魚の持ち帰り制限を始めて、それが20匹までだと書いてありました。
「そんなに持ってかえっていいんかい!?」と、私は思わず突っ込みたくなってしまいましたが、この程度の持ち帰り制限を導入するのだって大変なことなのかもしれませんね。
制限を20匹にしたということは、制限が無ければ20匹以上魚を持ち帰る人が沢山いたということなのでしょう。
おそらく放流日なんかにエサ釣りで、根こそぎ釣りまくるような釣り人が沢山いるのだと思います。
そういった人達にとっては、そんな釣りがいつもの日常なのでしょうし、もうその土地の慣習と言ってしまってもよいものなのでしょう。
昔からやっている当たり前の釣りなのですから、悪いことだとは思いもしないでしょうし、いつも通りお金を払っているのに魚を持ち帰りに制限をかけれるなんて、とうてい納得がいかないはずです。
そういった人達が多い土地で持ち帰りの匹数制限を設けることは、そう簡単なことではないでしょうし、20匹でも相当頑張った結果なのかもしれません。
再生産能力の乏しくなった渓流では、放流したそばから沢山の人が20匹も魚を持ち帰ってしまったら、あまり魚は残らないでしょうし、綺麗な大きな魚が育つ川にはなかなかならないと思います。
しかし、現状ではこの程度の制限が限界な土地も、まだまだ多いのかもしれません。
ただ、もう少し時間が経てば、この現状も変わる日もくるのではないでしょうか。
魚を大量に持ち帰る釣りをする人の大部分は高齢者ですし、あと10年~20年もすれば釣りができなくなるか、お亡くなりになるはずです。
実際に、昔ほどはそういった世代からの圧力がなくなってきているからなのか、上手にルール作って「魚がちゃんと居る川」を目指す漁協が、以前よりは増えてきている気がします。
昭和の時代から続いてきた「渓流に魚を放流して釣り切って終わり」というシステムも、そろそろ終わる日がくるのかもしれません。
ようやく時代が変わるような、そんな気がしないでもないですね。