去年、阪神タイガースが日本シリーズに勝って日本一になり、優勝記念グッズが販売されている様子をテレビで見かけましたが、Tシャツを買ったおじさんがインタビューされていました。
おじさんは、「それはすぐに着るんですか?」と聞かれると、「着いひん!棺桶に入れるんや!」と満面の笑顔で答えていました。
この様子を見ていると、このおじさんにとっては、大好きな阪神タイガースが日本一になったということは、かけがえがないほど価値があることなんだろうなと思わされました。
棺桶に優勝記念グッズを入れたいと思うということは、自分が人生を終えた時に、阪神が優勝したことが何よりも嬉しかった思い出だと思えるからでしょう。
このおじさんにとっては、阪神タイガースは人生そのものであり、さらっとこう言えてしまうのは本物のファンだからだと思います。
これが釣り人ならどうでしょうか。
釣りが本当に好きな人なら、とてつもなく嬉しかった釣果の写真なんかを棺桶に入れてもらいたいと思うのではないでしょうか。
長いこと釣りを一生懸命やっていれば、それくらい嬉しいことが一度くらいはあるはずですし、自分が人生を終えた時に、「あの時の魚は良かった」と心から思えるような思い出の魚がいるのではないでしょうか。
もしもまだ「この魚だけは」と思えるような魚が釣れていないのなら、まだまだ釣り人としてやり残したことがあるということなのでしょう。
釣りが本当に好きなら、「棺桶に写真を入れるんだ」と即答できるくらいの魚が釣れるまで、探求を止めてはいけないと思います。