日本の釣りでは、昔から目標としている魚以外の魚種が釣れてしまった場合、外道と呼んであまり喜ばないことが多いです。
しかし、近頃では、こういった目標以外の魚のことをゲストと呼び、ちょっとだけ前向きにとらえる風潮も出てきています。
とは言え、私は古いタイプの人間だからか、いつでも「可愛いゲストだ」などと外道の魚を喜ぶことはできませんね。
外道と呼ぶかゲストと呼べるかは、釣れる順番が大切だと思います。
例えば、春に川でイトウ釣りをしていて、サクラマスが掛かってしまうことは、よくあります。
イトウ釣れていない状況だったら、「うわぁサクラマスだ、外道だ」と間違いなく思ってしまいます。
せわしなく走る魚にちょっと苛立ちを覚えつつ、さっさと逃がすことになるでしょう。
これがもし、イトウを釣った後だったらどうなるでしょうか。
サクラマスは禁漁ですから、さっさと逃がすには変わりはないものの、「うわぁ、綺麗な銀ぴかのゲストだなぁ」と、ちょっと嬉しさを覚えてしまったりもします。
人間のその時の気分によって、こうも捉えられ方が変わってしまうとは、魚からしたら迷惑極まりない話でしょうが、釣り人が外道と思うかゲストと思えるかは、こんなちょっとした釣果の順番と心の余裕に左右されるのではないでしょうか。
いつでも心に余裕を持って釣りをしていれば、どんな魚でもゲストだと喜べるのかもしれませんが、そこまで心が広い人は釣り人には多くない気がしますから、ちょっと無理な話かもしれません。
大切なのは、外道だろうとゲストだろうと、釣れた魚は同じように丁寧に扱うことだと思います。
自分の気分によって、命ある魚を邪険に扱ったりするのは、それこそいけないことでしょうから、外道が釣れてイライラしている時でも、行動だけは冷静に、丁寧に魚を逃がしてあげたいものです。