釣りにゃんだろう

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魚にライン(釣り糸)は見えているのか? スレた魚は細いラインの方が釣れるのか?

「魚にはラインが見えているから、細いラインの方がよく魚が釣れる」と言う人がよくいますが、はたして本当なのでしょうか?
今回はこの問題について考えてみましょう。

 

魚はラインが見えている?感じている?

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私は、基本的には魚はラインが見えていると思います
それはこんな体験を、よくするからです。

 

夏場に渓流でイトウの釣れる場所があります。
ちょっと特異なシチュエーションな気もしますが、決して穴場のような場所ではなく、古いポイント紹介の本には必ず載っていたような超有名ポイントです。

そんな50年以上に渡って釣り人に攻められ続けた場所ですが、今でも結構イトウの姿を見ることができます。
魚の居そうな淵を覗き込むと、だいたいの場所には数匹のイトウが丸見え状態で泳いでいます。

さあ、そんな魚を見つけたら十分距離をとって、息を止めて狙いをつけます。
大丈夫です。自分の気配で魚は逃げたりしていません。

しっかりフェザリングして、魚のやや上流に静かにルアーを着水させます。
まだ魚は微動だにしません。

ところが、そこからリトリーブして、少しでもラインが魚の視界に入るように流れた瞬間、ドワー!っと猛スピードで魚は逃走し始めます
「石を投げたって、そんなに逃げないぞ」というくらいの勢いの逃走ぶりに、私は何度も笑ってしまいました。

淵の魚は釣るのが難しいものですから、瀬にいる魚も狙ってみることにします。
川を歩いていると、運がよければ瀬に居る魚も時々見つけられるのですが、そういった魚の逃走ぶりも似たようなもので、時にはどこまでも遠く見えなくなるまで泳いでいってしまいます。

ルアーやフライを先行させる形で流してみても、そう簡単には釣れず、時々油断した魚が釣れる程度なので、もう釣りよりもフィッシュウォッチングに適したような場所です。

このようなことから考えてみると、魚は確実にラインが見えているか、視覚からではなくても感じていることは確かなのではないでしょうか。
そして、何十年にも渡って代々釣られ続けた魚達は、かなりラインに敏感になっていて、もの凄い拒否反応を示すのだと思います。

 


見えていても気にしていないのが普通?

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魚はラインが見えているか感じているのは間違いないようだとしても、神経質になっていない魚はそれを気にしていないのではないでしょうか。
そして、釣りで釣れる魚の大半が、そういった魚なのではないでしょうか。

例えば、去年モンゴルで一緒に釣りをしていた人は、グレーリングやレノックという小物をフライで釣って遊ぶ時に、40ポンドのナイロンラインをティペットにしていました。
これだと根掛かりしても、引っ張ればフックが伸びて楽だからのようです。

日本の渓流で釣りをしている人には信じられないような太さのラインですが、ほぼ1投1匹のペースで魚が釣れていました。

「ちょっとやってみるかい?」と言われて、私も適当にフライを流してみましたが、秒速で魚が釣れるので数分で飽きてしまいました。

このように、スレていない魚、ラインに神経質になっていない魚は、ラインの存在を気にしていないのではないでしょうか。
ですから、ルアーやフライの動きや操作に問題がなければ、いくら太いラインでも釣れるのだと思います。

 

 

スレた魚は、細いラインの方が釣れる?

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ラインに神経質になっていない魚には、あまりラインの太さを気にする必要はないとして、スレた魚にはラインを細くした方が釣れるのでしょうか。

確かに、ラインを細くすると釣れるということは、あるにはあります。
また、水中で違和感を与えやすい素材のPEラインよりも、ナイロンラインの方が釣れるということもあります。
ですから、ラインの太さや素材は、釣果に影響しないことはないと思います。

しかし、私はラインの太さでそこまで劇的に釣果の差がつくとは思えませんし、細いラインでしか釣れないような魚がいても、それは放っておいて、他の釣り易い魚を釣った方が早いと思います。
また、あまり細いラインを使えばラインブレイクなどの危険も増すわけで、魚や環境のことを考えても、いたずらにラインを細くするべきではないと思います。

 

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魚にラインが見えているかなど、色々と考えてきましたが、これらの話はあくまで釣り人の想像でしかありません。
本当のことは、魚に聞いてみなければ分からないので、まあ、あまり考え過ぎずに好きに釣りをすれば良いのかもしれませんね。