全く必要性はなかったのですが、中古で432円だったのでフライリールを買ってしまいました。
ワンコインで手に入るフライリールがどんなものなのか、ちょっと見てみることにしてみましょう。
コータック グランファリオ
ワンコインで買うことができたリールは、今は亡きコータックというメーカーのグランファリオ(grano fario)というものです。
コータックというと、アメリカのShakespeareの製品を輸入していたり、お手頃な価格のフライ・ルアー用品を売っていたりしたので、昔はお世話になった人も多いのではないでしょうか。
私も小学生の時に親に買ってもらった初めてのフライタックルは、コータックの入門セットでした。
そんな入門セットからそこそこ高いものまで、幅広く商品を展開していたコータックにおいて、このリールはどの程度のクラスのものだったのでしょうか。
作りを見てみる限りでは、そんなに高いものではなかったのではないかと予想できます。
極限までシンプルで無駄のない作り。
このリールは、#3~#4用とボディに書いてありましたが、ちょっと小さめです。
ラインガードとフットが写真のようにボディ側のみに着けてあり、スプールを囲むようなフレームのようなものがありません。
中身もクリックのツメが1つあるだけです。(回転させると左巻きに変更できました)
このような一切無駄なものの付いていない構造ですので、随分と軽いです。
ただ、その分頑丈さには欠けると思うので、川で転んだり落としてしまったら、フットやラインガードが曲がったり外れる可能性はなくはないですね。
一生使えそう。
さてこの軽くて小さなリールを、何に使いましょうか。
低番手なので当然渓流用にするとして、この軽さを生かすには、テントなどを持っていく必要があり荷物を少しでも軽くしたい、山奥の源流などに行く時に便利かもしれません。
そういった場所では、そんなに大きな魚は釣れないでしょうし、私は毎週のように行く場所でもありませんし、落としたり転んだりしない限り、クリックの素材も丈夫そうなので間違いなく一生使えるのではないでしょうか。
ワンコインで一生使えるリールが手に入るなんて、フライフィッシングは何てお金のかからない釣りなのでしょう。
ロッドだって一度買ってしまえば、折らなければいつまでも使えるものですし、ちょっとお金がかかるのはラインくらいのものでしょうか。
そのラインだって、今は安いものも増えています。
フライフィッシングは、ルアーフィッシングなどと比べてお金のかかるイメージがあるものですが、それはわざわざ高い物を買った場合なのかもしれません。
そして、こんな安いリールでも一生使えてしまうことからも分かるように、シンプルな構造の道具が多いので、他の釣りの道具と比べると、値段による性能差が小さい気がします。
何しろ、魚が釣れたら手でラインを手繰ってくるくらい原始的なものなのですから。
ですから、もしフライフィッシング用品を高く売ってお金儲けしたいと考えた場合、その物に付加価値をつけたり、商品の優位性をアピールするというのは、なかなか難しいのかもしれません。
その結果、日本の小規模なフライフィッシング用品を販売する人の中には、理屈が理屈になっていなかったり、頭の悪そうな無理矢理なアピールを行ったりする人が出てきたのかもしれませんね。