釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

釣り針の危険性と凶悪性を教えてくれた友人。

小学校に通っていた頃のある日。
通学路の路上には霜柱が立っていたので、二学期か三学期の寒い時期だったと思うのですが、学校でY君という人に出会いました。
Y君はバス釣りを少しだけやる人だったのですが、その日は左目の上にかなり大きなガーゼを張り付けていました。

「どうしたの?」と聞くより早く、周りの友人達が週末にあった事件を語りだしました。

 

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Y君と友人達は、週末に自転車に乗ってダム湖にバス釣りに行ったそうです。
滅多に魚の釣れない湖でしたし、寒い時期ならなおさらで、当然バスは釣れなかったそうですが、ある友人がキャストしたらY君が釣れたらしいです。

なんでも、キャストしようとロッドを振ると、背後から「イテー!」という絶叫がこだまして、Y君がヒットしてしまったそうです。

そこからが大変です。
バス釣りをするプラグですから、トレブルフックが付いていて、そのポイントがいくつもY君の眉毛と瞼の間の辺りに刺さっているのです。
時代が時代ですので、バーブレスフックなんて使用していることもなく、フックはとても外れそうもありません。

涙と血を流すY君を病院に連れて行きフックを外し、Y君の親が迎えにきて、その日は釣りを終えたそうです。

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 その事件以来、Y君は釣りに誘っても、ほとんど来ることはありませんでした。
釣られたのがトラウマになったのか、親に禁止されたのかもしれません。
それもそのはずで、あと少し位置がズレていたら失明していたでしょうし、目の上の傷はいつまでも残っていたのですから。

 

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私は、この事件を思い出す度に、ちょっとゾッとしてしまいます。
釣り針というものは、とても危険なもので、それを未だに自分は振り回しているのだし、Y君に深いダメージを与えるようなもので、魚を日々引っ掛けているわけだと実感するからです。
バーブレスだとかシングルフックだとか、その頃とは使う釣り針は違ってきているものの、釣りという危険で残酷な行為を、今でも自分は続けているわけで、とても罪深いことだと思ってしまいます。