いつだったか、「フライの人って、太ってる人が多いよね」という声を聞いたことがあります。
言われてみれば、恰幅が良くてお腹の出た人が、ルアー釣りの人よりも多いような気がしないでもありません。
今回は、そんな釣りのジャンルと釣り人の体型の関係について考えてみましょう。
釣りのジャンルと釣り人の体型に関係性はあるか。
釣りは基本的には、野外で動き回るものですから、動きがにぶくなるほど太っていたりしては、釣りができなくなるものです。
地磯の釣りなんて、あまりに太っていたら釣り場に辿りつくこともできないでしょうし、本流釣りなんかも太っていたら、水の抵抗が大きくなって流されてしまうでしょう。
このような釣りでは、肥満体は場合によっては、命とりになりかねません。
しかし、一部の釣りのジャンルならほとんど体を動かさずに釣りをすることもできます。
船やボートを使った釣りや、釣り堀や管理釣り場や、釣り座を決めて動かない鯉釣りやヘラ釣りなどです。
こういった釣りなら、太っている人も痩せている人も、変わらずにできるのではないでしょうか。
しかも、釣りは集中力を必要とするものですから、どうしてもお腹が空いた気になることも多く、釣りの最中や釣りをした後は食べ過ぎになることも少なくありません。
運動量の少ないジャンルの釣りで食べ過ぎれば当然太りますから、一部の釣りのジャンルに太った人が集中するということもなくはないのではないかと思います。
フライフィッシャーに何故太っている人がいるのか。
さて、このように考えてみると、フライフィッシングをする人に太っている人がいるのは、少し不思議な気がしてきます。
フライフィッシングは、キャストするだけでも体を動かしますし、川を歩いたりと移動も多いものです。
まあまあ運動量の多い釣りなのに、比較的恰幅が良い人が多いのは何故なのでしょうか。
「冷たい水の中に立ち込んで粘るために脂肪を蓄えている」
という説もありますが、それは湖や大きな川ぐらいの場合であり、ルアー釣りほどではなくても移動を繰り返すものでしょうから、ずばりな理由ではないと思います。
私が思うには、フライフィッシングをやる人に太っている人が多いのは、ただ単に年齢的なものだと思います。
日本のフライフィッシングをやる人は高齢化しているので、メインの層が中高年です。
中高年はメタボ健診なんてものがあるくらい太っている人が多いのですから、自然とフライフィッシングをやる人もだらしない中年体型の人が多くなるのではないでしょうか。
しかし、さらにもう少し考えてみると、この説もよく分からなくなってきます。
私は今まで10ヵ国くらいの外国のフライフィッシャーと一緒に釣りをしたことはありますが、ガッチリと大きな体の人はいても、日本の中年のようなだらしない体型の人はほとんどいませんでしたし、むしろルアーフィッシングの人よりもスラッとした人の方が多かったくらいです。
しかも、彼等もほとんどが中高年であり、日本以外の国だって中高年は肥満傾向がありそうなものなので、中高年が多いから太っている人が多いという説も揺らいできてしまいます。
一体何故、日本のフライフィッシングをする人に太っている人が多いのか、私にはちょっと今のところは分かりません。
たまたま、自分の体型を管理できないような性格の人が多いだけなのでしょうか。
釣り場で見かけた人に、「なんで太ってんの?」なんて聞くわけにもいかないですし、この謎はまだまだ解けそうにありません。