以前、川に女の子とでかけると、いわゆる本流釣りスタイルの釣り人が居ました。
その釣り人を見ながら、その子は言いました。
「なんで、エサ釣りの人は、あんなに変な格好をしてんの?」
だって、仕方ないだろ。
言われてみれば、ぴったりしたタイツのような長い物を履き、中年男性が身体のラインを見せつけているような本流釣りや鮎釣りのスタイルは、かなり変なものかもしれません。
釣りにあまり馴染みのない人から見れば、変態にしか見えないくらい奇妙なものです。
しかし、こればっかりはバカにしてはいけないと私は思っているので、以下のように丁寧に説明することにしました。
あの格好をしないと、危険だからなんだよ。
ああいう釣りの人達は、竿とリールを使わないから、川に深くまで立ち込むことが多い。
普通の人では立っていられないような深さまで、川に入る人もたくさんいる。
だから、身体にぴったりしたタイツを履かないと、簡単に川に流されてしまう。
極端な話、あれを着なかったら死んでしまうくらいの釣りをしているんだよ。
釣りやめるか、変態になるか。
このようなものなので、本流釣りや鮎釣りには、あれ以上の機能的なスタイルはないと思います。
ですから、そういった釣りをするなら、安全面を考えれば、あの格好をする必要があります。
しかし、あの格好には抵抗がある人も少なくないでしょう。ちょっと恥ずかしいと思う人が、ほとんどなのではないでしょうか。
私も、できれば避けたいものだと思ってしまいます。
それでも、あの格好をして釣りをしているという人達は、そんな羞恥心など気にならないほど、本流釣りやアユ釣りの好きな人達なのでしょう。
このように釣りには、時には人に、一般的な羞恥心を投げ捨ててでも、川に挑まさせるだけの魅力があるのかもしれません。
そんな釣りの力が、本流釣りやアユ釣りのぴったりタイツスタイルには、よく表れているのではないでしょうか。