私は毎年冬の始めのあたりは、関西のそこそこ大きな川の下流部を眺めながら暮らしているのですが、その河原をうろうろしている釣り人達を観察するのは、なかなか面白いものです。
その川は、結構有名なシーバス釣りのポイントらしく、毎年秋の終わりには平日でも常に誰かが釣りをしている程度には、釣り人が出入りしています。
特に、コロナ流行以降の近年はぐっと釣り人の数が増えて、「本当に釣りって流行っているんだな」と実感させられたものです。
メーター前後のスズキが釣れることもあるそうで、私も少しやってみようかと思ったこともありましたが、毎日橋の上から川の中を見てみてもコイとボラしか見えませんし、何より釣れている人も見たことがないので、「やっても無駄かな」と手を出さずにいます。
それでも、釣れている人がいるにはいるということなのでしょうか、11月の終わりから12月の始めあたりは、ひっきりなしに釣り人がポイントに出入りして、3日も粘っている人を見かけることもあります。
そして、これが12月の中旬から下旬になると、ぱたりと釣り人の姿が見えなくなってしまいます。
冬になるとスズキが川から出ていってしまい、釣れなくなるからでしょう。
強く冷たい風が吹いてきて、河原に釣り人の姿が見えなくなると、「もう冬だな。もうすぐクリスマスだな。今年も終わりだな。」と私は、季節の移ろいを実感します。
川の側で生活している人は、このように釣り人の行動で季節を感じることがよくあるのではないでしょうか。
「鮎釣りの人が出てきたから、今年ももう夏か。」といったようにです。
こうして四季を感じて暮らすのは風流なことだと思いますが、これもいつまで続くのでしょうかね。
地球環境の変化により季節や気候がめちゃくちゃになりつつある現状では、釣りと季節の関係もそう遠くないうちに壊れていく気がしてなりません。