よく釣り人は、「活性が低くて釣れない」とか「雨が降って活性が上がった」というように、「活性」という言葉を使いますが、よくよく考えてみると釣り以外の場面ではあまり聞かない言葉です。
この釣りの場面で使われる活性という言葉は、本当のところはどういった意味なのでしょうか。
activity = 活性。
私が、昔本で読んだところによりますと、釣りで「活性」という言葉を使い始めたのは、バスフィッシングの世界が最初らしいです。
アメリカのバスフィッシングの世界では、「activity」という言葉が使われていて、それを和訳する時に「活性」としたのが始まりだそうです。
「activity」をそのまま単純に訳すと、「活動」ということになってしまいますから、ちょっと言いたいこととは違うなと思ったのでしょうか。
おそらく、釣りの場面でのactivityとは、活動性とか活気みたいな意味を表しているはずですから、それで「活性」という日本語を使ったのでしょう。
このような起源から考えてみれば、日本の釣り用語の活性という言葉は、そもそもはバスの「活動の活発さ」というような意味だったのだと思われます。
もっと簡単に言ってしまえば、魚の「やる気」とも言えるかもしれません。
それがあっという間に、他のジャンルの釣りにも広まり使われるようになったということでしょう。
これだけ広まったのは、やはりこの「活性」という言葉が、便利だっただからだと思います。
「なんか今日は、魚のやる気がなさそうだなぁ」と言うよりも、「魚の活性が低い」と言う方が、なんだかもっともらしく、ちゃんと考えて釣りをしているように聞こえるではありませんか。
釣り人は、釣れても釣れなくても、何かと理由をつけてもっともらしく語りたがりますから、そういった時に「活性」という言葉を使えば、それだけで本当っぽく聞こえて便利だったのでしょう。
このように、「活性」とは「やる気」程度の意味で、実際にはそんなにたいそれたことを言っているわけではありません。
それでも、なんだかもっともらしく聞こえる便利な言葉ですから、特に釣れない時の言い訳に使うにはぴったりの言葉だと思います。