おそらく釣り具のリールの中で、最も普及しているタイプはスピニングリールだと思います。
釣り人の大多数が、スピニングリールを扱ったことがあるのではないでしょうか。
それだけこのリールは、軽い物から重い物まで投げられて、扱うのが比較的簡単で、非常に汎用性が高いものであったということなのでしょう。
そんな便利なスピニングリールですが、これを全く扱ったことがない人に、使い方を説明して使いこなしてもらおうとすると、実はかなり大変です。
日頃釣りをしている人からすれば、スピニングリールでキャストするなんて、なんでもないようなことなのですが、扱ったことがない人には、実は結構難しいことなのです。
ロッドを正しいグリップで持ち、ラインをピックアップしてベールを開き、キャストして、フェザリングし、着水したらベールを戻す。
この一連の動作をいきなり覚えて正確に行うというのは、かなり難易度が高めです。
これらの動作が一つでもおかしいと、スピニングリールというものはライントラブルに見舞われてしまいます。
ちょっと目を離すと、ラインをぐちゃぐちゃに絡ませているなんてこともよくあり、なかなか釣りに集中してもらえません。
しかし、考えてみれば、これは当然のことかもしれません。
よくよく見ていると、釣りを長年やっているような人の中にも、スピニングリールを変に扱う人がいます。
おそらく正しい扱い方をマスターできることなく、ヘンテコな自己流のキャスト方法が定着してしまった人達だと思います。
こういった人達は、テレビの釣り番組に出るような人達の中にもいるくらいですから、実はスピニングリールは万人が正確に扱えるほど、操作が簡単なリールではなかったということなのではないでしょうか。
あげくのはてには、自分のリールの扱い方が悪いせいなのに、ライントラブルなどをリールのせいにするなんて釣り人も存在するわけで、スピニングリールを売るメーカー側も困っているのではないでしょうか。
それでも、変な使い方をしても魚は釣れるには釣れるでしょうし、キチンと扱い方を理解することが無理な頭の悪い人達は必ず一定数はいるでしょうから、今後もスピニングリールは、一部では正しく扱われない運命のままなのでしょう。
そんな状態なのにリールの性能などが、釣り人達の間ではしばしば議論されているなんて、なんだかアホらしくて仕方がないと私は思ってしまうのですが、そう思っているのは私だけなのでしょうか。