釣りにゃんだろう

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ネットを水中に放置したら刺し網状態になる川。

いつだったか川でイトウを一匹釣り、「良かった良かった」と満足して車まで戻り気持ちよく昼寝をしていました。

夕方になり辺りが薄暗くなってきた頃に目を覚ますと、突然「さっきネットを持って帰ってきたっけ?」という疑問が頭に浮かんできたのです。

 

ちょっと思い出してみると、魚を写真に撮って逃がした後、ネットを持って帰ってきた記憶がないのです。
車の中を確かめてみても、確かにネットはありません。

私は慌ててウェーダーを履き直し、夕闇迫る薄暗い川へと走っていきました。
すると、確かに魚をリリースしたあたりの川岸にネットはありました。
葦に絡まって流されていなかったのは幸いでした。

 

「やっぱりあったかと」と、私はネットを水中から引き上げると、ちょっとびっくりしてしまいました。
編み目の大きなラバーネットだったのですが、その編み目に何匹もトゲウオが挟まり、刺し網のように捕獲できているのです。

おそらくネットが岸沿いを移動しているトゲウオの群の通り道を塞いでいて、ちょうど挟まってしまったのだと思います。

「うわー」と驚きながら、私は慌ててトゲウオをネットから外しましたが、ちょっとトゲが手に刺さって痛かったです。

こんな体験をすると、やはりこんな簡単に「狙ってもいないのに魚が獲れてしまう」くらいの自然がないと、イトウなどの魚は生きていけないのだなと実感できます。

 

その川だって、お世辞にも自然環境が保たれているとは言えるような状態ではありませんが、まだまだこうしてネットを水中に忘れただけで小魚が大漁になるくらいの力はあるのです。

なんとか、これくらいの状態が保たれれば、これからも釣りが楽しめると思うのですが、そう上手くいくかどうか…
あれこれと心配が尽きないものだと、溜息をつきながら、夜釣りの人と間違われないように私は足早に川を離れました。