現代ではイトウを釣ろうと思ったら、道北に行くのが常識となっています。
それだけ道北には、まだ比較的多くのイトウが生息しているからです。
それでも、昭和の時代には道東の釣り場の方が人気があったようです。
イトウ釣りと言えば、道東の湿原河川で行うものだというイメージを持っている人が、昔は沢山居たのではないでしょうか。
開高健や釣りキチ三平がイトウを釣ったのも道東でしたから、イトウ釣りといえば道東という時代が、過去には確かにあったのでしょう。
しかしそれも、道東の開発が進み急速にイトウが数を減らしていったため、いつしかイトウ釣りといえば道北というイメージに変わっていったようです。
それだけ、もう道東ではあまり釣れないというイメージが定着しているようで、私も自分でいくらか釣ってみるまでは、「道東でイトウなんて釣れないんだろうな」と思っていました。
それでも、実際にいざ釣りをしてみると、随分とイメージとは違ったのです。
毎日釣れるとまではいきませんが、良い時期に当たれば4日に1匹くらいは釣れますし、釣れないまでも毎日のようにイトウの姿を見かけたり、釣れたという人にも頻繁に出会います。
嫌になるほど釣れないとか、釣るまでに何年もかかるなんてことは決してないわけで、思ったよりも遥かに釣れる釣りだったのです。
大きな川にも小さな川にも、それなりの数のイトウは居るようですし、充分に狙って釣りをすることはできるものだと思います。
ですから、道東のイトウ釣りに興味はあるけど「釣れないんじゃないかな」と思っている方なんかも、ちょっと気軽に出かけてみても良いかもしれませんね。
運が良ければ、意外とすんなりと釣れてしまうなんてこともあるかもしれません。
もちろん、安定して沢山の魚が居るわけではありませんから、トレブルフックを使ったり、魚を必要以上に陸に上げたり、キープしたりする、魚を減らしてしまうような釣り方は絶対に避けるべきですが、そこまで敷居の高い釣りでは決してないと思います。