見えているスレた魚なんかを、じっくり狙って釣っていると、ルアーとフライには大きな違いがあることに気づきます。
こういった魚をルアーで釣るには、魚が口をしっかり開けて身体を動かし、ルアーに食いつく必要があります。
威嚇のためなのか、好奇心からなのか、食欲からなのかは分かりませんが、とにかく身体を動かし、ルアーを口で咥えないことには釣ることはできません。
これがフライだとどうでしょうか。
フライを口の真ん前までもっていくと、口をわずかに開けただけでも、すっと吸い込まれてしまうことがあります。
フライを食べようとしたのか、ただ呼吸をしたのか分からないくらいの、本当にやる気のない動きでもフライは釣れてしまうのです。
ルアーに食いつくだけの動作を100としたら、10くらいのやる気のない行動でも、フライは吸い込まれてしまいます。
このような違いが見られるのは、フライがルアーに比べると軽いことや、動きや流れ方が非常にナチュラルであることが原因だと思います。
フライは、わざわざ食いついたりしなくても、ついつい吸い込んでしまっただけで釣れるのですから、魚がやる気がない時やスレている時に無理矢理なんとか釣ることができます。
ルアーでは諦めるしかないような魚も、なんとか釣れてしまうという強引さがフライにはあると思います。