安物のシンキングのフライラインには、たまに明らかに表示されている沈下速度よりも沈まないものがあります。
ほとんどの物は、ちゃんと沈むのですが、時折そんな不良品はあるものです。
真面目な人だったら、「なんだ不良品じゃないか」と怒って、「だからよく分からん安物はダメなんだ」と思うかもしれませんが、私はそうは思いませんね。
「全然沈まないな」と笑いながら釣りをしてしまいますし、腹が立つこともありません。
だって有名メーカーの物と比べたら、何倍も安い物なのですし、たまには不具合があったってしょうがないのではないでしょうか。
おおらかに釣りを楽しむのなら、それくらいのダメさを楽しむ余裕があったっていいはずですし、沈まないなら沈まないなりに、また別の使い道を考えれば良いだけなのです。
このように、たまにはダメなものをダメだと認めて、笑えるくらいの余裕がない人は、いくらお金が掛かっても高いラインだけを買い続けるしかないでしょう。
それにしても、今の時代のラインは高いですよ。
10メートルやそこらの長さのラインが1万円近くするなんて当たり前ですよ。
そういった物を、何個も何個も買っても痛くも痒くもない人は、どうぞその釣りを続けてくださいといった感じですが、大半の人にとっては「ちょっと勘弁してくれよ」といった状況なのではないでしょうか。
無理をしてまで高いラインを買ったって、それで確実に魚が釣れるわけではありませんし、安物でも使いようによっては、いくらでも魚を釣ることはできます。
「いい加減高過ぎるな」と思い始めた人は、そろそろ湯水のようにフライラインにお金を掛ける釣りを止めて、安物も使ってみてはいかがでしょうか。
たまには笑っちゃうような物もありますが、釣りは充分に楽しめるものなのですから。