昔、あり得ないシュートの外し方をしたサッカー選手が、「急にボールがきたので…」と言い訳をしたことがあります。
これを聞いた人々は、「サッカーなんだから、急にボールがくるのが当たり前だろ!」と突っ込み、「急にボールがきた」という言葉を略してQBKと名付けたりして、随分と揶揄したものでした。
私も、当時はこの事件を結構笑っていたものですが、今では「急にボールがきたのだから仕方がないことなのではないか」と同情したくなっています。
魚釣りをしていると、急に魚がくることがあります。
その時に、早くアワセ過ぎたり、変なことをしてしまったりして、逃がしてしまうことが結構あります。
釣りなのですから、魚が急にくるのは当たり前ですし、もう子供の頃から何十年も釣りをしているのですから、そのことは充分に分かっているはずです。
それでも時にはミスをしてしまい、そんな時に私は「急に魚がきたので…」と言い訳をしたくなってしまいます。
人間なら誰だって、もう幾度となく当たり前にこなしてきたことでも、なぜかポッカリとミスをしてしまうことがあるのではないでしょうか。
そんな時は、自分でもどう説明したら良いか分かりませんし、「当たり前だろ!」と突っ込まれるような言い訳しか出てこないのだと思います。
私は、時々「急に魚がきたので…」と言いたくなることがある度に、「ああ、あの選手も、こんな気持ちだったのかもしれないな」と考えています。