私の釣りは、「魚を釣って、写真を撮って、逃がして」完結するものです。
ですから、上手く綺麗な写真が撮れない、足場が高くて水辺に降りられないポイントや足場が護岸・桟橋・テトラポッドなどの釣り場では、あまり釣りをしたくありません。
また、魚種によっても写真を撮るのに向き不向きがあり、「釣りたいと思えるか」ということに大きく影響してきます。
あまり引いたり走ったりする魚は嫌だ。
釣りをする人の大部分は、魚が強く引いたり走ったりするほど喜ぶのではないでしょうか。
私も、少しはそういったことに喜びを感じますが、あくまでも釣りの目的は「魚の顔を見て写真に収めること」なので、魚が引く強さなどにはこだわりはありません。
暴れたり走るほどバレる可能性は高まるので、とにかく静かに寄ってきてくれた方が嬉しいくらいです。
走ったりジャンプするニジマスなんかは、たまには釣りたくもなりますが、正直めんどくさいです。
もうちょっと素直に静かに釣られてくれた方が、魚も私も疲れないので、お互いのためになると思うのですが。
小さい魚は嫌だ。
せっかく写真に撮るのですから、魚はでっかくて迫力があるほど嬉しいです。
また、小さい魚ほどネットに入れた後も暴れやすいので、写真に撮りにくいです。
アメマスなどは、釣った後もウネウネと動いて落ち着きもなく、大きくてもせいぜい80センチくらいなのですから、どうしても釣りたいとは思えません。
イトウは理想的。
以上のようなことを考えると、イトウという魚は釣って写真を撮るには理想的な魚だと言えます。
まず、イトウは大きさのわりには、あまり引きません。グイグイゴンゴンと力強くはありますが、サケのように強烈なファイトもしませんし、コイのようにどこまでも自分勝手に突っ走り続けたりもしません。
そして、大きさや迫力の点でも文句はありません。
1メートルのニジマスは滅多にいないでしょうが、1メートルのイトウは結構いるでしょう。
また、釣られてからも、水中で横たわらせれば、静かにしてくれていることが多く、撮影にとても協力的な魚です。
このように、「釣って写真を撮る」という私の釣りにおいては、イトウという魚は理想的なのです。
一方で力強い引きや激しいファイトなど、他のことを釣りに求める人にとっては、ただのちょっと珍しくて大きい魚というだけで、あまり魅力的な魚ではないかもしれませんね。