釣りにゃんだろう

猫のように気まぐれに 独断と偏見に満ちた釣り情報をお届け

魚をバラすための道具。

タイメンをリリースし終わると、キープしていたレノックを、ハンサム君の父親が料理し出した。f:id:nyandaro:20180724112253j:plain

スープと焼いたものと2品も作ってくれたのだが、味付けが素晴らしく、どちらも絶品だった。
結構サイズの良い魚ばかりで、メンバーでは食べきれないほどの量があったので、美味しそうに食べていた僕が、ひたすら食べさせられることになった。

f:id:nyandaro:20180724112333j:plain

 

 

その後、まだ明るいが、ちょっと釣りをしてみることにした。
13センチのジョイントのミノーを、ゆっくり引いていると、ガツンとアタリがあった。しかし、その魚も簡単にバレてしまった。
ある程度は大きそうな魚だったので、この固いロッドでも大丈夫そうだと思ったのだが。

僕にとっては、このロッドで魚を釣るのは、とことん難しいらしく、魚をバラすための道具でしかない気がしてくる。
あと一日このことに気づくのが早ければ、この下流部への小遠征には、違うロッドを持って来ることができたはず。

f:id:nyandaro:20180724112423j:plain

 

くよくよしていてもしょうがないので、そのままキャストを続けると、さっきと全く同じあたりで、魚がヒットした。

「タイメン?!」
とガイドが聞いてくるのだが、何とも確信が持てない引き味。
「大きくないよ」
とだけ答えて、魚を慎重に寄せてくる。

魚が浮き上がった瞬間、ガイドと僕は残念そうに同時に叫んだ。
「レノック!」

しかし、この魚が、あまり見たことがないほどデカイ。80センチはありそうだ。

「レノックのチャンピオンだ!」
などと、ルームメイトも遠目に見ながら叫んでいる。

「写真を撮ろうか」
と親切にガイドは聞いてくるが、これは日本人がレノックを求めていないことを教える良い機会だと思い、「レノックは要らないから。逃がそう逃がそう」と言って、さっと水中でフックを外し、一瞬でリリースした。

「レノックはダメなのか…」
と、ガイドは少し残念そうな悲しそうな声をあげたけれど、これで良かったのだと思う。
今後、もし日本人が来た時には、彼らが何を望んでいるか分かってもらえるだろう。
日本人はレノックを釣りに来るのではないし、違法な釣り方はせず、フライやルアーだけを使い、140センチの魚を釣ることを目標としていると。

気づいてみれば、朝から夜までブーツを履いていたので、足の踵の傷がもうどうなっているのか分からないくらい、ズキズキと痛む。
しかし、ここが勝負所だと思い、そのまま釣りを続けることにした。

さっきほどまでではないが、結構大きなサイズのレノックがぽつぽつと釣れる。バラしたのも一回ほどで、少しコツを掴んで来た気がする。

 

 

f:id:nyandaro:20180724112515j:plain

そして、日が沈み、いよいよドカンと来そうな雰囲気になってくる。

夕方から、ひたすら使い続けていたミノーに、ガツンとアタリが来た。
ゴンゴンゴンとイトウのように、魚は頭を振っている。
「タイメン!」
と、ガイドも今度は確信を持って叫ぶ。

あまり大きくないが、1メートルはあるだろう。
まあ、とりあえずは、これくらいの大きさでも…

と思っていたら、フッとバレてしまった。
「小さかったから、問題ないよ」なんて、悔しかったからガイドに言ってしまったが、痛恨のミスだ。

ここまで何日も釣りをしてきて、ルアーで1メートル以上の魚が釣れたのは、8人の釣り人が居て、たった2回しかないのだ。(しかも100%夜釣り)
この国にしては、厳しいこんな状況を考えれば、最初で最後だった可能性が高い。

気を取り直して、そのまま釣りを続けるが、その後はレノックが定期的に釣れるだけだ。


ガイドもテントを張って眠ってしまった。
お察しくださいな釣りをしていた、ルームメイトとハンサム君は、まだ釣りをするというが、0時頃には僕は小屋の中で眠ることにした。
起こされることがなかったから、二人も釣れなかったのだろう。