近頃は海洋プラスチックゴミの問題がよく話題になっていますが、そういった話題の資料の中に様々な水中のゴミが分解されるまでに必要な年数が書いてあるものがありました。
その資料によりますと、釣り糸が分解されるまでにかかる年数は、なんと600年なのだそうです。
この数字はおそらくPEラインでの計算なのではないかと思いますが、600年とはなんとも気の遠くなる年数です。
1400年代に引っ掛かったラインが、ようやく現代になくなるくらいということなのですから、いかに釣り糸がゴミとしてはヤバい物か分かります。
それだけの長期間、水中に残り、動物に絡まったり水を汚染したりし続けるわけで、下手な放射性物質なんかよりも長期間環境に影響を与え続けるものなのではないでしょうか。
それでは、「生分解性のラインを使うことにしましょう」となるかというと、そういった雰囲気は釣り業界には皆無です。
以前、いくらか生分解性のラインが売られたことがありましたが、強度などに不安があり結局定着はしませんでしたし、釣りに細くて強いPEラインが欠かせないようになった今となっては、まず広く使われるようになることはないでしょう。
しかも、釣りというやつは、魚を釣るためには、どうしたって根掛かりしてラインを水中に残すものです。
永遠と水面だけを釣っていれば、根掛かりはしないかもしれませんが、それだけでは大半の釣りが成り立たなくなってしまいますから、これからも釣り人は確実に水中にラインを遺棄し続けるでしょう。
このように考えてみると、釣りというものは、環境問題の観点からは、とんでもなく悪質な行為でしかありません。
たまに、「釣りを通じて豊かな自然を感じる」みたいなことを釣り具会社が言っていることがありますが、釣りなんて確実に自然破壊なわけで、おかしな話ですね。
あまりにこんな酷いことをしていると、いつか世界的に「PEラインの使用を禁止」と決まったりとか、釣り禁止の国が増えたりとかといった未来も待っているのかもしれません。
いつまでも釣りができるなんてこともないかもしれませんから、釣り人は早めに他の趣味を見つけた方が良いのではないでしょうか。
釣りなんて、できればしない方が良いことなのですから、止められるならさっさと止めるに越したことはありませんよ。