日本の釣り人というものは、所謂「通」と呼ばれるような、ある程度釣りをやりこんだ人になるほど、ダイワやシマノといった国内有名メーカーの釣り具を嫌う傾向があると思います。
日本には、これらのメーカーの釣り具が捨てるほど溢れかえっていますから、そんな「みんなと同じ道具」を使って釣りをするのは、つまらないようなカッコ悪いような気がしてくるからでしょう。
使っている人の少ない海外メーカーの物や、オールドタックルと呼ばれる古い物を使う人達が一定数居るのは、このためだと思います。
中には、屁理屈のようなことを並べて、高価なカスタムメイド品のような物が優れていると主張して使っている人もいますが、実際にはそういった物が特別優れているわけではありませんし、釣り人がダイワやシマノの釣り具を嫌うのは、基本的には性能とは別問題の話だと思います。
私も、どちらかと言うと「みんなと同じじゃ嫌だ」というタイプの人間ですので、このメジャー国内メーカーの釣り具を嫌う人達の気持ちは、よく分かる気がします。
これが、海外の釣り人達といくらか会ってみると、真逆の反応をしているから面白いです。
ダイワやシマノの釣り具を使っていると、嬉しそうに誇らしげに見せてくる人が多いです。
それから、日本ではバカにされるような低価格帯のダイワやシマノのロッドやリールをあげても、本当に嬉しそうに喜んでくれます。
どうやら、「ダイワやシマノの釣り具=最高品質の物」という認識を持った人が多いらしく、とにかくそれらのメーカーの物なら大喜びという釣り人も多いようなのです。
確かに、この二つのメーカーの物の品質が高いのは基本的には間違いないと思います。(それが釣りに有利になるとは限りませんが…)
あまり品質の良い釣り具に恵まれてこなかった地域の人達からすれば、ダイワやシマノの釣り具に憧れのようなもの抱くのも当然なのかもしれませんね。
こういった現象を見ていると、どうも人間というものは「ないものねだり」な所があるようですね。
当たり前のようにダイワやシマノの釣り具が溢れる日本の釣り人は、他のメーカーの物を欲しがり、日本のメーカーの釣り具が貴重だった国の釣り人は、ダイワやシマノの物を欲しがる。
実際には、釣り具なんてどこのメーカーの物を使ったって、魚はいくらでも釣れるものなのですから、我々はつまらないこだわりに踊らされているだけのようで、なんとも滑稽だと思います。