ラパラのルアーは、その多くが昔から紙の箱にプラの蓋がされた状態で販売されています。
私は、この箱が好きで、ルアーを出した後もちょっと小物入れに使ったり、小さ目のルアーを詰め込んでタックルボックスのように使ったりもしています。
この箱を使った包装方法は、紙もプラも使う量が多く、あまりエコなものではないかもしれませんが、こうして捨てずに再利用できる点からすれば、簡易的な包装よりはずっとエコだと思います。
私が子供の頃は、ラパラは安物のルアーでした。
ちょうど平行輸入品が大量に日本に入ってきていた時期だったらしく、釣り具屋のワゴンの中には、ラパラのルアーが無造作に大量に突っこんであったものです。
そういった状態で売られていると、子供の私にはラパラのルアーはあまり魅力的には見えませんでした。
子供ですから、見た目のリアルな(今ならそれが子供騙しだと分かる)ルアーの方に魅力を感じて、古くさい箱に入った野暮ったいルアーだと思っていました。
しかし、大人になって釣りを再開して、あまり使うこともなく眠っていたラパラのルアーを投げてみたら、めちゃくちゃ釣れることに気づいたのです。
大人になってみて見ると、そのムーミンキャラクターのようなルックスも、ギラギラした日本のルアーよりも、ずっと上品で魅力的に見えます。
そして、その箱も雰囲気抜群で、二次利用もできて素晴らしいと、ようやく気づくことができました。
このように、私にとっては、ラパラは大人になってからその魅力に気づいた、大人のルアーなのです。
しかし、私よりももっとずっと昔に釣りを始めた世代の人達は、子供の頃からラパラの魅力に気づいていたのかもしれませんね。
昔は、ラパラは高価なものであり、子供なんかが気軽に買えるものではなかったと聞きます。
ルアー少年達には、さぞかし高級なもの見えたのではないでしょうか。
そして、その箱も高級さの表れの一つとして見ていて、手に入れた後は、箱も大切にしていたのかもしれません。
何十年も前の少年たちも、現代の私のような中年も、変わらずに空箱を気に入って使っている。
ラパラは、その箱だけを見てみても、歴史があり、いかに素晴らしいルアーか分かるのではないでしょうか。