私は、オールドタックルの写真が見られたり、昔の凄い釣果が見られたり、意外と現在でも参考になりそうな情報が得られるので、何十年も前の古い釣りの本や雑誌を読むのが好きです。
そういったものを読んでいると、度肝を抜かれるような釣果に「何十年か前に生まれたかったな」と羨ましくなったりもするわけですが、「なんだか大袈裟過ぎないか?」と疑問に思うこともあります。
例えば、イトウ釣りの話で120センチや130センチの魚を釣るのに大変なことになる話があるのは、当然のことだと思います。
しかし、昔の本だと80センチや90センチくらいの魚の話でも、物凄いファイトをして、取り込むまでに随分と時間がかかっていることがあります。
これは、きっと話を面白くするために盛っているからだと私は思っていますが、それだけではない可能性もなくはないかもしれません。
昔は、どこの川でも今よりも水量が多かったでしょうから、それだけ魚を取り込むのが大変だった可能性があります。
それから、反発力のないグラスロッドや伸びまくるナイロンラインが主流だったために、魚を寄せるのが大変だった可能性もあります。
こうして考えてみれば、何を釣るにしても、今よりも水量が多い川で、今よりも非力なタックルで魚を釣らなくてはならなかったわけですから、いくら魚が沢山居たとはいっても、昔の人は意外と魚を釣るのに苦労していたのかもしれません。
そんな状態で、とてつもなく大きな魚を釣る人は、やはり本当に名人というような腕の確かな人だったのではないでしょうか。
現在では、あらゆるタックルが便利にできていて、昔ほどは釣りの腕の差が出にくくなっている気がします。
プロみたいな人よりも小学生の方が大きな魚を釣っていたりするくらいですから、本当の意味での「釣り名人」というような人は、もう存在しなくなってしまったのかもしれませんね。