近頃、テレビでシマノのスピニングリールのステラのCMが流れているのを見かけました。
CMが流れているということは、「22ステラ」とか呼ばれる新しいモデルが出るのかもしれませんが、これがなかなか笑えるCMでした。
そのCMでは、ステラを釣り場で使って実際に魚を釣っているシーンがあり、海のシーンは磯からヒラスズキか何かを釣っているのですが、淡水のシーンでは湖でヒメマスを釣っているのです。
「ヒメマス釣りでステラなんて使うのは、ちょっと大袈裟過ぎでしょう」と思って、私は笑いを堪えることができませんでした。
ヒメマスという魚は、まれに大きめのものも(そうは言っても50センチ程度)いるようですが、この国のサケ科の魚の釣りの中では確実に小物の範疇に入るものでしょう。
身体の大きさのわりには、ジャンプしたりよく引いてはくれるものの、壮絶なファイトが必要になるようなな魚ではありませんし、強い流れのない湖で釣るわけですし、ドラグ性能が問われるような場面は皆無です。
また、年中ヒメマスばかり狙って真剣に釣る魚でもないわけで、「季節ものの小物」といった魚であり、ヒメマスだけを釣るなら、正直ダイソーに売っているリールでも充分といったような魚です。
そんな魚を、最高級リールをアピールするCMの対象魚に選ぶとは、このCMを考えた人はどれだけ釣りが分かっていないのでしょうか。
これでは、船用の電動リールでワカサギを釣って見せているようなものです。
車に例えたら、カウンタックで信号だらけの道を走り、近所のスーパーに買い物に行くような感じでしょうか。
もしも、そんなCMがあったら「バカじゃないの?」と思う人が多いでしょうが、それと同じようなことをこのCMはやっているのです。
これならまだ管理釣り場で大きなニジマスでも釣る方が、ヒメマスを釣るよりはずっと高性能なリールの必要性があり、製品のアピールにはなると思うのですが。
あんなCMを何度も見せられたら、これからはステラを見る度に、「ヒメマス用のリールか(笑)」と思ってしまう人も出てくるかもしれませんから、確実に最高級リールとしてのイメージはダウンしたことでしょうね。
もう「御愁傷様です。」と言いたくなるくらい、救いようがないCMでした。