「釣りにいくのって、めんどくさいよな」と、近頃私はつくづく思います。
あれこれ準備しなければならないし、お金も必要ですし、魚なんてろくに釣れないのかもしれないのですから。
特に、フェリーや飛行機を利用して遠くまで釣りにいくとなると、さらにめんどくさいものです。
費用も時間もより多くかかるようになりますし、釣れなかった時の精神的なダメージもとてつもなく大きくなるからです。
それじゃあ、もうこれからは近所に気軽な釣行をするだけにして、釣りはちょっとした趣味程度のものにしようかと、たまに本気で考えてしまうわけですが、その度にまだもうだけ少し旅をしようかと考え直しています。
やはり、まだちょっとだけ「あそこでデッカイ魚が釣りたい」というような夢が、自分の中に残っているのでしょう。
「もう釣りは近場だけで」ということにしたって、それなりに楽しめるでしょうし、お金も貯まるでしょうし、釣りのために人生を犠牲にする必要もなくなり、もしかしたら今よりもずっと幸せになれるかもしれません。
しかし、それでは絶対に夢のような魚は釣れないのです。
少しでも夢を叶えて魚を抱きしめるための気力が残っている限りは、簡単には遠くまで釣りにいくことを止められないのかもしれません。
「もういい加減、釣りのために遠くまで出かけるなんてバカらしい」と思える日まで、まだ少しだけ、私の釣りに囚われた不幸な人生は続くのでしょう。
その日が、あとどれくらいしたら訪れるのか、明日なのかもしれないし、来年かもしれないし、10年後かもしれないし、自分でもよく分からないのですが、できれば早めにきてくれて、さっさと楽になりたいものだと思っています。