釣りほど「ビギナーズラック」という現象が頻繁に見られるものは、なかなかないと思います。
釣りをろくにしたことがない人に竿を持たすと、何故か魚がすぐに釣れます。
おっかなびっくり必死に魚を寄せてくると、「ウソでしょ」というようなサイズの魚が大人しく上がってきたなんてことは、釣りの世界では日常茶飯時です。
このような釣りのビギナーズラックが起こる理由として、「釣ろうという殺気が出ていないからだ」という精神状態説や、「常識にとらわれず釣りをするからだ」という技術説など様々なことが考えられていますが、その根本には「無心で釣りをしている」ということが共通してあると思います。
ですから、もし初心者のように「無心で釣りをする」という状態を意識的に再現できれば、ある程度釣りのキャリアがある人でも、ビギナーズラック並の幸運に恵まれることも可能かもしれません。
例えば、しばらく釣りを止めてみるのはどうでしょうか。
何年も釣りをしていなかった人が、「こんな感じだったっけな?」とちょっと不安を感じながら釣りをすれば、ほぼ初心者と同じ状態になるのではないでしょうか。
実際に、私も10年以上釣りをしていなかった時期があり、その後に釣りを再開してみたら、どこにいってもよく魚が釣れてしまったものでした。
それから、日頃全くやったことのないジャンルの釣りをやってみるというのはどうでしょうか。
私は、いきなり竿を貸してもらい、一度もやったことのない鮎の友釣りをししてみたら、思いの外よく釣れてしまったということがありました。
このように、釣り経験者でも意識的にビギナーズラックに近いことを起こすことは、可能なのではないでしょうか。
ただ、どれもちょっと特種な方法過ぎて、あまり実用的ではないかもしれませんね。
しかし、こういった方法をとることが無理でも、初心者の人のように「無心で釣る」という気持ちを忘れないだけでも少しは効果があるのではないかと、私は思っています。