「隣の芝生は青く見える」という、とても良くできた言葉があります。
なんでも他人の物は良く見えてしまうというような意味ですが、この言葉の絶妙さは釣りでも実感することができます。
他人の釣った魚や釣果の写真。
他人が釣り場で釣った魚や、釣果の写真を見せられたりすると、妙に魚が大きく立派に見えることがあるのではないでしょうか?
特に写真において、この傾向が顕著だと思うのですが、他人の釣果を見ると「良いのを釣られてしまった」と羨ましい気になることが多くありませんか?
冷静になってサイズを確認してみると、それほどでもないことも多いわけですが、それでもなんだか立派に見えて羨ましくてたまらないですし、すぐにでも自分も釣りたくなってしまうわけです。
これに対して、自分の釣果というものは、どうしてもショボく見えがちです。
以前も書いた気がしますが、釣ってからある程度時間がたつと、魚が小さく縮んでしまったように感じます。
写真を眺めてみても、なんだか見れば見るほど小さく見えてきます。
ちゃんとメジャーで測ったはずのに、「本当に○○センチもあったのかな」と疑いだしてしまい、夜中に急にメジャーを伸ばしだしてしまったりもします。
このように、他人の釣果はより大きく思え、自分の釣果はどんどん小さくなっていくように感じてしまうことは、まさに「隣の芝生は青く見える」という現象ではないでしょうか。
釣りは、本来は個人的な趣味ですし、大会やトーナメントでもない限り他人と競うものでもないのですから、こんな風に他人の釣果を羨む必要はなく、「自分が満足して嬉しければ、それでだけで良い」もののはずです。
しかし、その満足感を得るためには、どうしても魚の大きさや数を気にして、それを他人と比べたりする必要がでてきてしまいがちです。
こういった心の卑しい釣りは早く終わりにしようと、私は常々思っているわけですが、どうにもまだまだ精神が未熟なようで、「隣の芝生」に心を乱されてばかりです。