ピュアフィッシングジャパンから、アブのズームサファリというパックロッドが発売されていますが、結構売れているようです。
ぱっと見た感じでは、オールドタックル風味な現代の廉価パックロッドといった物のようですね。
昔、本物のスウェーデンのアブから売られていたズームサファリというロッドは、確かテレスコタイプだったと思います。
テレスコロッドは、現代にはあまり人気がないようですから、分割式にしたのでしょうか。
それから、ブランクの色も昔は黄色だったと思いますが、モデルごとに違うカラフルな多色展開となっています。
グリップもフロントグリップが無かったりして、現代的になっています。
さらに近頃流行りのベイトロッドのモデルもあるようです。
このように、名前とブランクに書いてある字体などは昔の物に似ているものの、オリジナルとは随分と違うものとなっています。
オールドタックルが好きな人は、「これのどこがズームサファリなんだ!」と怒るかもしれませんが、この微妙な新旧ミックス感が良かったのかもしれませんね。
オールドタックルのおしゃれな雰囲気に興味はあっても、その性能を考えて、使うのを躊躇うような釣り人は、結構多いのではないでしょうか。
実際に、私はアブの古い黄色いグラスロッドを持っていますが、ベロンベロンで重くて、最近の若い人が使ったらビビるレベルだと思います。(それでも何の問題もなく魚は釣れるのですけどね…)
そんなところに、このようなオールド風のロッドが発売されて、しかも安いとなれば、「オールドタックルに興味はあるけど…」というような人達が飛びついたのではないでしょうか。
この商品を企画した人は、かなりの商売上手でしたね。
私も、最近ルアー釣りを滅多にしないですが、ちょっと欲しくなってしまったくらいです。
ところで、このロッドにはハードガイドが使われているらしいです。
最近の釣り人の大半は、「ガイドがSicじゃないなんてあり得ない!」と思っていそうですが、どうだったのでしょうか?
このロッドを買って使ってみた人は、ハードガイドでも何の問題も無いことに気づいてしまったのではないでしょうか?
こんな風に、現代では常識のように思われている釣り具の性能も、実際に釣りをするには不要であることが少なくありません。
そういったことに気づいてしまうと、今までいかに無駄なことにこだわったり、金を払ってきたか分かるでしょうし、本物の昔のズームサファリのようなオールドロッドでだって、問題なく魚が釣れることが分かるのではないでしょうか。
そういった点では、この現代版ズームサファリは、オールドタックルの世界への入り口となる商品のような気がします。
まあ、本当にこれで皆がオールドタックルを使うようになってしまったら、ピュアフィッシングは商品が売れなくなり困るでしょうけどね。
そんな時は、黄色いベロンベロンのグラスロッドを復刻するとでもしましょうか。