フライフィッシングには、ロールキャストという投げ方があります。
ロッドを立ててタイミングよく振り下ろせばラインが伸びていくという、とても簡単な方法で、勘の良い人なら初めてロッドを持ってから5分もかからずに習得できるものでしょう。
そこまで飛距離が出る方法ではないですが、誰でも簡単に覚えることができ、初心者にぴったりな基本的なキャストです。
フライフィッシングというと、難しい釣りだと思われがちですが、このキャストをするだけなら、スピニングリールを正しく使ってルアーを投げるよりは、ずっと簡単なのではないでしょうか。(実際に、ルアーを正しく投げられないまま釣りをしている釣り人は、世の中に大量にいます。)
「それでも、魚を釣るためには、もっと難しいキャストを覚える必要があるのでしょう?」と思う人も多いかもしれませんが、意外とそうでもないかもしれないと、私は最近思います。
自分がこれまで釣ってきた魚の中には、このシングルハンドロッドのロールキャストという超初歩的なキャストだけで釣れた魚が、いくらでもいるからです。
さすがに湖では、これだけで釣れた魚は少ないですが、川ならロールキャストでちょっと投げただけで釣れた魚は、かなりの数になります。
川では、足元近くに魚が居ることはよくありますし、流れがあるためラインを流せて、遠くまで投げなくても広範囲を探れるからでしょう。
15センチのヤマメから1メートルのイトウまで、私はロールキャストだけで釣れたことがありますから、とりあえずこれさえでれば、魚は結構釣れてしまうのではないでしょうか。
実際には、投げた後のライン操作の方が重要だったり、ロールキャストしかできないと困ることもあるわけですが、「最低限これさえできれば何とかなる」というレベルでは釣りができると思います。
ですから、「フライフィッシングをやってみたいけれど難しそうだな」と思っている人は、そんな心配は要らないから、とにかくやってみることだと思います。
5分もあれば、それなりに魚が釣れる程度には投げられるようになるのですから。
魚がある程度釣れれば、自然ともっと難しいこともやってみたいと思いだすでしょうし、難しいキャストを覚えるのは、それからでも充分なのではないでしょうか。