近頃、釣り具のCMを見ていると、スピニングリールを右投げ右巻きで扱うシーンが多い気がしてなりません。
常識ある釣り人の皆さんなら当然お分かりかと思われますが、右利きの人が右ハンドルでスピニングリールを使用するこの方法は、明らかに間違ったリールの使い方です。
私が子供の頃は、スピニングリールはほとんど右ハンドルの状態で売られていたものです。
これは、昔から日本には右利きなのに右ハンドルで扱う、リールの使い方を知らないバカな人が多かったため、そのバカに合わせてメーカーが売っていたからだと言われています。
それから時が経ち、じわじわと正しくリールを扱う人が増えてきて、それにメーカーも対応したのか、今ではスピニングリールは左ハンドルの状態で売られることが増えてきました。
しかしです。
ここにきて右投げ右巻きでCMを作りまくっているとは、なんだかまた日本の釣り人バカ時代に逆戻りしている気配がするではありませんか。
釣りのテレビ番組を見ていても、出演者が右投げ右巻きであることが珍しくないので、右巻きの人が増えてきているのかもしれません。
ここまで当たり前のように右投げ右巻きをする人が再び増加しているということは、もしかしたら右巻きを奨めている有名な釣り人なんかがいるのかもしれません。
もし、そういった人がいるにしても、その話を鵜呑みにしてしまうのは、あまりに低脳過ぎると思います。
例えば、自動車メーカーが日本で車を売るのに、何かと理由をつけて左ハンドルの車を奨めてきたとしたら、どう思いますか?
大半の人は「何を言ってるんだ?この会社は大丈夫か?」と思うのではないでしょうか。
右利きの人がスピニングリールを右ハンドルで扱うことを奨めるのは、これと同じようなことなのですから、どう無理矢理に理由をつけたところで屁理屈でしかありませんから、相手にするべきではないでしょう。
近頃、ちょっとだけ釣りを始める人が増えているようです。
こんな時だからこそ、釣り具メーカーは、商品アピールの場面で釣り具を正しく扱うことに気をつけるべきではないでしょうか。
そういったものに影響を受けやすい初心者が、誤った使い方を覚えてしまう可能性があるのですから。
このままでは、日本の釣りの世界が、右投げ右巻きの波止場のおっちゃんスタイルが主流の昭和のレベルに逆戻りしてしまうかもしれません。