釣り業界が「ネイティブトラウト」と呼ぶジャンルの釣りを始めようと思ったら、まずはウェーダーという物を買わないといけないと思っている人は多いかもしれません。
それだけ、あのヘンテコな長靴のお化けみたいなものは、川や湖で釣りをする時の象徴みたいに見なされているわけですが、私は必ずしも最初から買う必要はないと思います。
なぜなら、ニーブーツ(長靴)程度でも釣れてしまう釣り場は、沢山あるからです。
まず、湖はウェーダーがなくても、結構いけてしまいそうです。
水の中に全く入らなくたって、いくらでも魚が居る場所までルアーやフライは届くからです。
特に今時のルアータックルはバカみたいによく飛びますから、手前が極端に浅くて水の中に入らないと根掛かりしまくるような時でもなければ、岸からでも充分に釣れるはずです。
しかも、ウェーダーを穿いていなければ、不必要に立ち込んで岸寄りの魚を逃がしてしまうことがなくなりますから、ウェーダー無しの方がよく釣れることさえあるかもしれません。
古いの本なんかの写真を見てみても、湖ではウェーダーを穿かずニーブーツ姿で釣っている人の姿が沢山見られます。
いつの間にか、ウェーダーを穿かないといけないような雰囲気になっていますが、なければないで大丈夫なのではないでしょうか。
それから、川で釣りをするにしても、ガンガン渡渉したり遡行したりするような場合にはウェーダーは必要ですが、プールや堰堤の下なんかで、ほとんど動かずにちょっと釣りをしたりする場合には、ニーブーツでも充分なのではないでしょうか。
そういった場所は放流魚が溜まりやすく、初心者向けでもあるわけですし、まずはあまり水の中に入らず、安全な場所で釣りをしてみるのには、調度良いと思います。
このように、実はウェーダーを持っていなくても、それなりにネイティブトラウトの釣りはできてしまうものです。
ウェーダーを買うのは、長靴などでちょっと釣りをしてみて、文字通り深入りしてみたくなってからでも遅くないのではないでしょうか。