ルアー用のフックには、実に様々な形状やタイプのものがあります。
多用なフックの中から、釣り人はベストな物を選ぶ必要が出てくるのですが、その際に気にしなければならないことに、フックの線径(太さ)があります。
細軸、太軸。
特に厳密な基準はなく、フックの線径が細めのものは細軸、太めのものは太軸と呼ばれているわけですが、このフックの太さが違うことで、どのような差があるのでしょうか。
まず、刺さりやすさに差が出てきます。
同じ形状のフックでも、細軸のものほど、小さな力で刺さりやすく、太軸のものほど、刺さるために大きな力が必要とされます。
ですから、フッキングが良いのは、より細軸のものということになります。
一方で、フックの強度という点で考えてみれば、当然太軸のものほど丈夫で、細軸のものほど伸ばされたり折れやすくなっています。
このように、フックは、細軸なものほど、フッキングがよくなるものの強度は弱くなり、太軸なものほど、フッキングは悪いが強度は強くなるものです。
フックを選ぶ時には、この関係性を理解した上で、自分がする釣りに最適な軸の太さのフックを選ぶ必要があります。
一番考えなくてはならないのは、魚の大きさや力の強さでしょう。
大きな魚や力の強い魚を釣る時ほど、太軸のフックを使う必要があります。
それから、使用するラインによっても、最適なフックの太さは変わってきます。
伸びの多いナイロンラインを使用するよりも、伸びの少ないPEラインを使用した方が、フックには力が伝わりやすいため、フッキングがよくなると同時に、フックが伸びやすくもなります。
ですから、PEラインを使用する時には、ナイロンラインを使用する時よりも、太軸のフックを使用した方が安全でしょう。
以上のように、フックの太さを決めるだけでも、色々な要素を考慮しなければなりません。
タックルのバランスや釣り方によっても、同じフックでも伸ばされたり伸ばされなかったりするものですから、誰かが良いと言っていたフックを選んでも、それが自分の釣りにも最適とは限りません。
これはもう、自分で経験を重ねて、最適なフックを選んでいくしかないでしょう。
たとえ、フック選びに失敗して魚にフックが伸ばされて逃げられてしまっても、ラインブレイクとは違い、魚には害のない失敗です。
悔しいものではありますが、悪いことをしたわけではないのですから、そんなに落ち込む必要はなく、一つ勉強したと思って、次回からのフック選びに活かせばよいのです。
フックを選びは、他人に聞くよりも、こうして自分の経験を通してベストな選択ができるようになっていく方が、確実なものなのではないでしょうか。