ちょっとおかしな判定をしてサーポーターの恨みを買っても、のうのうとキャリーバッグを引いて、サポーターと一緒の電車で帰っていくJリーグの審判さん達。
日本は平和だなあ、と思うと同時に、ちょっと審判に対して甘すぎるんじゃないかなあ、と思ってもしまいます。
審判に甘い世界だからか、へんてこな判定が繰り返されるJリーグですが、ちょっとだけ今年から審判に厳しくなりそうです。
今季から変更されたこと。
今季からJリーグの試合終了後に、判定に関する異義があった場合、審判アセッサーとクラブの代表者が意見交換を行うことになりました。
審判アセッサーというのは、試合前にアナウンスされる謎の人物ですが、その正体は審判の評価や指導、助言を行う人です。簡単に言うと、審判の先生ですかね。審判を引退した人などが行っていることも多いようです。
つまり、今年から審判君がおかしなことをしたら、クラブ側は、アセッサー先生にチクることができるわけです。
チクられたアセッサー先生は、審判君側の言い分とクラブ側の言い分を聞き、報告します。
その内容がどのようなものであったか、17日に日本サッカー協会の審判委員会がメディアに対してブリーフィングを行いました。
結構突っ込んだ内容の判定に関するブリーフィング。
17日に行われた、Jリーグの今季のこれまでの試合の判定に関するブリーフィングでは、意見交換が行われたプレーに対して、本当はどうだったのか、細かい見解を発表しました。
ブリーフィングとは、報告会というような意味です。
判定が覆ることはないものの、今回の報告では、はっきりと審判の間違いを認めています。
開幕戦の清水エスパルス対ヴィッセル神戸の決勝点は、オフサイドであったなど、試合結果に直結するような判定の間違いも認めています。
一方で大分トリニータ対レノファ山口の試合で、PKのキッカーがポストに跳ね返ったボールを触った場面で間接FKとした、ややこしいけど正しく判定できた良いレフェリングも発表されました。
簡単に言うと、審判の答え合わせのような性質のようなもののようです。
ここまではっきりと公表されれば、審判側は今まで以上に緊張感と責任感を持って、レフェリングの質が向上されることが、ないとも限らないですね。
そもそもレフェリーは、正しい判定をしなければいけないのか。
日本サッカー協会にはプロフェッショナルレフェリーという人達が居て、当然この人達もJリーグの試合で笛を吹いています。
彼らは審判活動に専念できる環境が与えられた、文字通りプロの審判です。
現在、主審には10名が名を連ねていますが、Jリーグが好きなみなさんは、是非一度そのリストを見ていただきたいです。
日頃から目立って不思議なレフェリングをする人達が、プロフェッショナルレフェリーに妙に多い気がしませんか。
私は、プロのくせに変な判定ばかりしてプロ失格なのではないか、と昔は思っていました。
しかし、ある日、試合会場でアナウンスされるとどよめきが起こるほど、Jリーグファンには人気者の家本政明主審の裁く試合を観ていて、考えが変わりました。
試合は一見、一方的な展開になりそうでしたが、家本主審のちょっと謎な判定により、接戦に持ち込まれている気がしてならなかったのです。
ということは、ある意味主審が試合を盛り上げている、と言っても過言ではありません。
もしかして、プロのレフェリーとは、その判定で、お金をとれるエンターテイメントとして試合を成り立たせることができるから、選ばれているのではないか?と思うようになりました。
そう考えてどちらのチームにも肩入れせずに試合を観てみると、プロフェッショナルレフェリーの試合は、ドラマチックで面白いことが多い気がします。いよいよ私の審判に対する考えは、変わってきました。
プロフェッショナルレフェリーは、正しい判定をするからプロなのではなく、判定で試合を盛り上げられるからプロなのだ。
みなさんも、そう考えて、試合を見れば、ちょっと面白くなり、不可解な判定にあんまりイライラしないで済むのではないでしょうか?
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