よく釣り場では、「昨日まで釣れたんだけどね」とか「先週まで良かったんだけどね」などという声が聞かれることがあります。
こういった発言は、釣り船屋さんなどの釣り人相手の商売をしている地元の人が発することが多く、これを聞いた釣り人は、ビジネスを円滑に行うための発言であり、あまり信用できない話だと思うことがあるかもしれません。
はたして、この「昨日まで良かったんだけどねぇ」は本当なのかという問題について、今回は考えてみたいと思います。
釣れない言い訳か。
ボート屋、遊漁船、漁協など、釣り人からお金を直接得ているような商売において、釣り人に「あそこは釣れない」と思われたり、そういった噂が流れてしまうしまうのは、死活問題のはずです。
そう思われてしまったら、お客である釣り人の数が減り、もろに収入が減るからです。
ですから、あまり釣れていない時や、釣れなかった時には、何らかの言い訳をする必要があるはずです。
そんな時に、一番便利なのが「昨日までは良かったんだけどね」とか「先週までは釣れた」とか言って、今日がたまたまダメだったことにしてしまうことでしょう。
もっと長いスパンで、「去年は良かったんだけどね」と言ってしまうことも可能です。
このように基本的には、「昨日までは釣れたんだけどね」は言い訳である可能性が高いわけで、ちょっと本当かどうか怪しいところであります。
まあ、あまり信用せずに、話半分くらいだと思っておいた方が良いのかもしれません。
結構本当のこともある。
そんなわけで、私もどちらかと言うと「昨日まで良かったんだけどね」発言は、あまり信用しない人間なのですが、最近は意外と本当なのかもしれないと思うことも増えてきました。
釣りを続けているうちに、一つの釣り場に何週間も居たり、数ヵ月滞在することを、何度も経験することが出てきました。
そうして、それなりに長い期間、一つの釣り場を毎日見ていると、確かに本当に「昨日までは釣れたのに」とか「釣れるのは先週までだったな」というようなことが結構あるのです。
時には、「今朝までは釣れたのに」なんてことさえもありました。
このような現象は、季節の進行や天候の変化などの環境面の変化でも起きますし、釣り人の増加などの変化でも起きることです。
そして、こういったことは、週末にたまに釣りに来る程度の釣り人には分かり得ないはずのことであり、毎日釣り場に張り付いている人にしか分からないことのはずです。
ですから、地元の人が「昨日まで良かったんだけどね」と聞いても、実際にそういうことも結構あるのですから、頭から嘘だと思うのはいけないのかもしれないと、今では思っています。
現在では、ＳＮＳなどの情報を駆使すれば、「昨日までは釣れたのに」が本当かどうかなんてことも、以前より簡単に調べられる時代になってきたかもしれません。
それでも、完全に解明できるわけでもないでしょうし、本当のこともあるのですから、信用しすぎるのも問題ですが、「昨日まで良かったんだけどね」と言われたら、「本当かもなぁ、今日は日が悪かったのかな」と思うくらいが丁度良いのかもしれませんね。
そう思えれば、釣果に恵まれなかったのは、少なくとも自分のせいではないことにできて、少しは救われた気持ちになれるのかもしれないのですし。
