2017明治安田生命J2リーグ、第1節終了時点で首位に立ったV・ファーレン長崎ですが、その成績とは裏腹に経営不振に揺れています。
V・ファーレン長崎とは?
現在、Jリーグ2部である明治安田生命J2リーグに所属するクラブです。
ホームタウンは長崎市、諫早市を中心とする長崎県全域。
クラブカラーは青とオレンジ。
現在の監督は、アジアの大砲、高木琢也です。
ユニフォームの胸スポンサーは、ジャパネットたかたです。
- 2004年に有明町の「有明SC」に、国見高校のOBを中心に結成された「国見FC」が統合され、長崎県サッカーリーグ一部で優勝。
- 2005に『V・ファーレン長崎』に改称。
- 2009年にJFLに昇格。
- 2013年にJ2リーグに昇格。
以後、J2リーグで戦っています。
このように、十数年でカテゴリーを駆け上がってきたクラブと言えそうです。
このような傾向は、他のJ2、J3のクラブにも共通して見られる傾向です。
2017シーズン開幕前に社長が辞任を表明。
2017年2月8日、池ノ上俊一社長を含む常務取締役3人が、会社側に辞表を提出したことが判明します。
この3人は会社のトップ3であることから、ただならぬ事態であることが伺えました。
クラブ側が当初行った会見では、辞意の理由は説明されず、Jリーグから監査を受けていることについても、その理由は説明されませんでした。
J2昇格後最悪の1億2000万円の赤字が判明。
2月15日には、2016年度の決算が、1億2000万円の赤字となると発表されました。
このことから社長らの辞意の理由は、経営悪化であることが判明します。
4月には給料が払えなくなる恐れが。
3月1日、臨時株主総会が開かれ、その後に会長、社長が会見を行いました。
財務改善に向けて出資企業探しているが、現時点でめどはたっていないこと。
このままでは、4月にも社員の給与支給が滞る可能性があること。
その結果、J3への降格の恐れがあること。
これらのことが発表されました。
Jリーグでは、クラブライセンス制度というものがあり、クラブの経営状態、設備などを審査し、不備があると、罰金や成績とは関係なく降格などの処分が課せられます。
ですから、このギリギリの経営状態は、降格を招きかねない事態なのです。
クラブの闇はそれだけではなかった?
3月1日の報道では、新たな疑惑が報じられています。
池ノ上社長が開設した整骨鍼灸院で、療養費の不正保健請求が行われた疑いがあるとのこと。
整骨鍼灸院は、社長が経営する会社が、クラブハウス内に開設。
一般患者の受入れはなく、選手に対し、柔道整復師1名とクラブのトレーナー2名が施術していました。
クラブのトレーナーは、通常の業務の範囲内で、選手のマッサージなどを行っていました。
柔道整復師が、同じ行為を行った際に、施術として保健請求して受給を受けていた疑いがあります。
マッサージなどの行為は、柔道整復師の施術の業務とは認められていないため、本来は保健請求できないものです。
あくまで現在では疑惑の段階ですが、何やら険しい事態になっています。
この整骨鍼灸院は、クラブの収益確保のために作られたものです。
経営悪化を免れようと、クラブがもがいていたことが伺えます。
V・ファーレン長崎だけの問題ではない
Jリーグのクラブの経営不振は、今回のV・ファーレン長崎の話に限られたことではありません。
毎年のように、地方のクラブでは、綱渡りのような状態の経営不振の事態が起きています。
地方のクラブが、Jリーグを早急に目指し、定着しようと無理をすると、このような歪みが、どこかで産まれてきてしまうのではないでしょうか。