釣りにゃんだろう

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日本でダブルハンド(ツーハンド)やスイッチロッドが近年流行っている理由。

私には、以前から不思議に思っていることがありました。
湖などでバックスペースがそれほどないわけでもなく、特別風が強いわけでもないような状況の釣り場でも、ダブルハンドロッドやスイッチロッドで水面を使ったキャストをしているフライフィッシャーが沢山居るということです。

私は、ルアーよりもフライの方が良く釣れる時にフライフィッシングをやる程度の卑怯なタイプ人間なので、それほどフライをやり込んでいるわけでもなく、詳しくもなく、シングルハンドのオーバーヘッドキャストでも釣れそうな場所で、両手でバシャバシャとキャストしている人が居る理由が全く分かりませんでした。

 

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ところが、最近になって、このような釣り人が多い理由が、なんとなく分かったのです。

この冬に、ちょっと使う必要がでてきそうだったので、河原に行き10番のシングルハンドロッドで投げる練習をしてみることにしました。

さすがにここまでラインが重いと、下手くそな私にもホールのタイミングなどが掴みやすく、予想以上に簡単によく飛んでいきます。
私は、ちょっと嬉しくなってきてしまい、途中子供達に囲まれて「何をしているんですか?」と突っ込まれつつも、4時間ほどひたすら夢中にキャストを繰り返してしまいました。

 

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そして、さてそろそろ家に帰ろうかと片付けてから歩きだした時に気づいたのですが、かなり身体が疲れていたのです。
ちょっと全身ぐったりして歩くの遅くなってしまいましたし、荷物を持つ手はプルプルと震えています。

4時間とは言え、ひたすらキャストを繰り返していたので、丸一日釣りをする程度の運動量であったはずです。
それでこの疲労感とは、10番ロッドで何日も連続で釣りをするには、かなりの体力が必要となるのかもしれません。

私は、毎日10キロ程度は走っていますし、たまに力仕事もしますから、釣り人の中でも体力がない方ではないと思います。
それでもこの疲労感なのです。


下手くそだから無駄な力を使っていた可能性もありますが、これでは日本のフライフィッシャーの大半である体力のない中高年達には、高番手のロッドで一日中釣りを続けるというようなことは不可能でしょう。

 

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そこで流行ったのが、ダブルハンドロッドやスイッチロッドで水面を使ったキャストをするという、比較的体力の消耗が少ない釣りなのではないでしょうか。

もちろん、バックスペースが少ない場所で釣りができり、風の強い時でも釣りができたり、大きなフライを投げられるなど、便利な面があるから始めた人もいるのでしょうが、一番の流行の理由は体力があまり必要とされないからなのかもしれません。

 

そう言えば、以前出会ったニュージーランド人のガイドの人は、「ツーハンドはクソだ」と言い、かなりダブルハンドを嫌っているようでした。
必要に応じて使う時はあるようでしたが、ガッシリとした身体で体力に余裕のある外国人には、ダブルハンドが必要となる状況はかなり限られているために、 あまり好きではなかったのかもしれません。

そして、なにより無駄に長いダブルハンドロッドで釣りをするよりも、シングルハンドで軽快に釣りをする方が楽しいということも大きかったようです。

 

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私は個人的には、体力がないからダブルハンドを使うというのは、なんだかカッコ悪い気がしてなりません。
体力というものは、自分の努力次第で誰にでも確実につけられるものだからです。

ですから、もしその道具で釣りをするのが体力的に辛いのなら、釣りをする以前に、まずは走ったりウェイトトレーニングをすれば良いのではないでしょうか。

私は、本当に必要な状況でしか、ツーハンドロッドで水面を使ったキャストはしないようにしようと誓い、その日のうちに釣りのためのトレーニングのメニューを考え直すのでした。