湖で釣りをする人々が恐れている現象に、ターンオーバーというものがあります。
これは一体どのような現象で、釣りにどのような影響を与えるものなのでしょうか。
ターンオーバーの仕組み。
釣り人がターンオーバーという時は、秋のターンオーバーを指すことがほとんどですから、ここではその現象について説明したいと思います。
秋が深まり水温よりも気温が低くなるにつれて、湖の水は冷やされていくことになります。
この時、当然外気に触れている表層から、水は冷やされていきます。
この現象が進むと、湖の底の方の水温よりも、表層の水温の方が低くなるという、通常とは逆の状態になります。
こうなると、水というものは温度が低いほど重たいので、表層の水が底層に、底層の水が表層へ動くという、逆転現象が発生します。
このことをターンオーバーと釣り人は呼んでいます。
ターンオーバーの影響。
ターンオーバーが起こることを、なぜ釣り人は恐れるのでしょうか。
それは基本的に魚が釣れにくくなるからです。
ターンオーバーが起きると、酸素の少ない底層の水が表層にくるため、魚の活性は著しく低下することが多いです。
ターンオーバーが起こると湖の水は濁って泡立ち、いかにも死んだ水といった見た目で、「ダメだこりゃ」と言いたくなるような雰囲気になりますが、実際に釣りをしてもさっぱりなことが少なくないのです。
ターンオーバーが起きたら、どうするか。
ターンオーバーが起きたら、どう対処するべきなのか、これは対象魚や釣りの種類によって多少は違ってくるでしょうが、基本的な対策は同じです。
まず、湖の中でもターンオーバーが起きていない場所がないか探します。
広い湖なら、ターンオーバーが起きていない場所があることもあります。
それがダメなら、できる限りターンオーバーの影響の少ない場所を選ぶことです。
新鮮な水の流れ込むインレット付近などは、影響の少ない場所の代表でしょう。
後は、思いきって深い場所や逆に浅い場所を探ったりするのも一つの手です。
後はもう、何日かたって、湖の水が落ち着くのを待つしかないのかもしれません。
以上のように、ターンオーバーは季節の変化によって起きる自然現象であり、釣りへ悪影響を及ぼすものです。
毎日詳細な水温をチェックしていれば、いつ起きるのか、ある程度予測がつくという話もありますが、遠方から釣りに行くような場合などには、うまくターンオーバーの期間を避けるというのは、難しいことなのではないでしょうか。
ターンオーバーが起きる可能性がある時期に釣りに行くのなら、日頃から良い行いをして祈るくらいしか、釣り人にはできないのかもしれませんね。