小学校、高学年くらいの頃だろうか。
雨や雪で釣りに行けない時などは、ルアーのフックを研いだり、タックルボックスの中を整理したりして、釣り欲を慰めていたものだ。
今だったら、雨や雪でも全く気にせずに釣りに行くのだが、子供だったので親の許可がおりなかった。
さて、そんな必要と言えるような作業が終わってしまうと、次は不必要で無意味な作業に手を出し始めてしまうことがあった。
その標的は、だいたいの場合、リールである。
オイルを差す必要もないくらい、どこにも不具合はない状態なのに、とにかく何か弄りたくてたまらなくなってくる。
ネジやボルトを外してみたり、ギアを覗いてみたり、ぐちゃぐちゃと分解してみては、元に戻すことにする。
オーバーホールという目的はないので、ただ分解をしているだけである。
本当に幼い思考をしていたものだと、今となっては恥ずかしいばかりだ。
こんな無駄な遊びをしていても、元通りに戻せれば何の問題もない。
しかし、子供のやっていることなので、失敗をする日は、そう遠くないうちにやってきた。
ある日、ダイワのベイトリールを、バラしてから戻していた。一番安いくらいのモデルだったが、子供には一流メーカーの品物だというだけで、宝物レベルだ。
さて、全て元通りに組んだ。
そのはずだったのだが、ハンドルが逆転する。
キャストする状態では、ハンドルが回るわけではないので、ダイレクトリールとは違うのだが、似たような使用感の物に生まれ変わってしまった。
部品を失くしたのか、組み間違えたのかは分からないが、とにかくもう復元不能になった。
しょうがないので、しばらくそのまま使ったてみたが、魚が釣れたらハンドルから手を離せない仕様になっていた。
まあ、あまり魚は釣れなかったので、それほど問題にはならなかったのだけれど。
これ以来、僕はしっかりと学習し、リールをバラすのを一切やめることにした。
これは、今になっても変わらない。蓋を開けて、オイルやグリスを差したりはするが、それ以上のことはやらない。
もういい大人なので、落ち着いてやれば、子供の頃のような失敗はないはずだし、今使っているのは、当時より簡単な構造のオールドリールばかりだ。
それなのに、やりたがらないのは、あの時の失敗を20年以上たった今でも、大きく引きずっているからなのかもしれない。
先日、問題のそのベイトリールが、部屋の奥から久しぶりに発見された。
これを自力で直して、魚を釣ってみようじゃないか、と思うのだけれど、なかなかその一歩が踏み出せずにいる。
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