いつだったか、昔の日本の動物園にはヒョウライオンなる動物が居たと、テレビでやっていました。
名前の通り、ヒョウとライオンを交配させて生まれた生き物だったそうです。
二種類の生き物を交雑させて産み出す、所謂F1というやつです。
その後、時代の流れとともに、こうした人為的な交雑はよろしくないということになり、このような動物を展示のために産み出すことはなくなったそうです。
こういったことが全てなくなったわけではないのでしょうが、少なくとも動物を人間の都合で掛け合わすのは良くないという考え方が、今ではしっかりとあるということなのでしょう。
しかし、これが魚の世界になると、あまりこういった考え方はないようです。
管理釣り場には、タイガートラウトやジャガートラウトなんていうF1の魚が泳いでいますし、人間がやりたい放題に交雑しています。
海で養殖されている魚でも、何かと何かを交雑させると成長が早いなどと言って、新しい魚を産み出しているのをよく見かけます。
また、交雑させるどころか、近頃はアクアアドバンテージサーモンなど、遺伝子を組換えるなんてことも盛んに行われているようです。
こういった現象を見ていると、どうも哺乳類にはダメなことでも魚類にはやってもよいような雰囲気があり、随分と魚というものは人間から軽く扱われているのだなと思ってしまいます。
私は、魚だってライオンだって蟻だって、命の価値は変わらないと思いますし、むやみに人間がいじくりまわしてはいけないと思います。
ライオンにやっていけないことなら、魚にだってやってはいけないことだと思います。
ですから、タイガートラウトやジャガートラウトを釣っても、あまり嬉しくありませんし、人間の罪深さを思い知らされる気がして、なんだか暗い気持ちになってしまいます。
ああいったものを日頃からよく釣っている人達は、何も心にひっかかるものがないのでしょうか。
ちょっと倫理的にはマズイ釣りだと、私は思うのですが。