釣り人の多い釣り場に行くと、気になることがあります。
「ドッボーン」とド派手な音をたててルアーを投げ込んでいる人が、意外と多く居ることです。
それが初心者風の人や小さな子供だったら、まだ分かるのですが、釣りを何十年もしていそうな中高年に非常に目立つのだから不思議なものです。
フェザリングやサミングを知らないのか?
そのような人々が、ドッボーンとド派手にルアーを着水させてしまう原因は、主にフェザリングやサミングをしていないからでしょう。
ルアーをキャストする際に、ラインから指を離した瞬間から着水までの間に、スピニングリールの場合は人差指で、ベイトリールの場合は親指で、スプールの縁に軽く触れたり離したりすることで、飛距離や着水の勢いを調整するのは、釣りの超基本的な技術です。
これを、スピニングリールの場合はフェザリング、ベイトリールの場合はサミングと呼びます。
人間の指先というものは、思った以上に微調整が効くものですから、フェザリングやサミングを行えば、「狙った場所に、より静かに」ルアーを着水させることができます。
このような超基本的な技術を、釣りを何十年もやっているような人が使っていないのだから、不思議でなりません。
サミングやフェザリングをしないと、魚は釣れないのか?
しかし、ちょっと考えてみますと、何十年も釣りをしていそうな人々が、フェザリングやサミングをしていないということは、こういったことをしなくても、魚は釣れる時は問題なく釣れるのではないでしょうか。
着水音が大きいことで著しく魚が釣れないのなら、その人は、さすがに何十年かの間に問題を解決しようと考え、フェザリングやサミングを行うようになるのではないでしょうか。
事実、すぐ隣で子供たちが石を投げて遊んでいるような場所でも、私は魚が問題なく釣れたことがあります。
実際には、そこまで気にすることではないのかもしれません。
ただし、それは魚にやる気があって、警戒心が薄く、自然な状況の場合に限ると思います。
やはり、魚がスレていたり、人の気配で逃げ回るようなシビアな状況では、「ドッボーン」とルアーを投げている人には、なかなか魚が釣れている様子がありません。
本州よりも、比較的魚がスレていない北海道の方が、ドッボーンと投げている人が多いことも、このことの表れなのではないでしょうか。
隣の人がドッボーンとルアーを投げていたら?
さて、こうなってくると、シビアな状況で「ドッボーン」とルアーを投げている人がいると、周りの釣り人は自分に魚が釣れなくなるのではないか、と気にする人も出てくるかもしれません。
これに関しては、私はあまり気にしなくても良いのではないかと思っています。
自分のキャストしているすぐ近くにドッボーンと爆撃されるのは困りますが、ちょっとでも離れた場所なら、そんなに影響はないと思われます。
それどころか、その人がドッボーンと魚を驚かせれば、その魚が静かに釣りをしている自分の方にやってくるなんてことも、ないとも限らないはずです。
実際に、近くでドッボーンドボンやっている人がいると、自分には釣れてしまうこともあるので、この説をちょっと信じたくもなってきます。
どのみち、ドッボーンと釣りをしている人に、「こうやってこうやって、静かに投げてみなよ」と指導をしにいくことなどできないのですし、あまり気にせずに、「あの人のお陰で、自分の方に魚が来てるぞ」と前向きに考えていた方が、ずっと釣りに集中できるはずです。
以上のように、フェザリングやサミングは、シビアな状況でも、より魚を確実に釣りたいのだったら、絶対に覚えておいた方が良い技術でしょう。
しかし、周りの釣り人がそれをせずに、騒がしく釣りをしているからといって腹を立ててもしょうがないことなのですから、むしろ自分の釣りに好影響を与えるはずだと、なるべく良い方に考えていた方が良いのかもしれませんね。