近年の日本の釣りの世界には、釣り具メーカーのテスターやモニターという人達が沢山存在します。
こういった人達は、メーカーの社員ではなく釣りの上手な一般人であり、中には実際に細かな商品開発まで関わっている人もいるでしょうが、大半は提供された商品を使って釣りをして、その釣果を発信することにより商品をPRするという役割であることがほとんどでしょう。
メーカーにとっては、あまりお金をかけずに商品を宣伝できるのですから、ありがたい存在なのかもしれません。
こういったところは、ファッション雑誌の読者モデルなんかにも、ちょっと似たところがあるかもしれませんね。
ただ、こういった半ば素人のような人達に、商品PRを任せるのは、ちょっとリスクがあることだと思います。
半ば素人のテスターやモニターといった人達は、メーカーの社員やきっちりと報酬を払って仕事を依頼したプロに比べれば、コンプライアンス面の意識が低い人がいる可能性は高いはずだからです。
釣りは、いくらでもインチキができてしまう世界ですから、ろくに釣れなくても何とか釣果を上げたことにしようと、他の道具や方法で釣った魚を、アピールしたい物で釣れたことにするような人がいても不思議ではありません。
メーカーの社員でさえ、ルアーを付け替えたり、魚を使い回したりすることがあるらしいですから、素人のテスターやモニターといった人達なら不正をはたらき放題な気がしないでもありません。
実際にそういった人がいるのかどうかという話は抜きにしても、こんな疑惑がいくらでもつきまとう存在なのですから、テスターやモニターといった人達は情報源としては著しく信用度が低いことは間違いないと思います。
少なくとも私は、そういった人達が、いくら「これで釣れました」と言っても、全く信じる気にはなれませんし、いくら道具を誉めても嘘臭くしか聞こえません。
ですから、テスターやモニターといった人が情報を発信すればするほど、「これいいな」と思う人もいるかもしれませんが、「嘘臭いな」と思われて逆効果になる可能性もあるのではないでしょうか。
このような素人を使った宣伝は、ほどほどにしておくべきだと、私は思います。