我が家には、以前アムコの古いタックルボックスがありました。
これは、父親が若い頃にルアー釣りをしていたという知り合いから貰ってきてくれたもので、1970年代くらいのものらしく、中にはオールドルアーがぎっしりと詰まっていました。
そのタックルボックスが我が家にやってきた頃は、私はほとんど釣りをしていなかった時期でしたので、長年放置され続けることになったのですが、釣りを再開してから見てみると宝の山でした。
私は、古い貴重なものでも、魚を釣らなければ意味がないと思っているので、少しずつそれらのルアーを使用しては、魚を釣ったものです。
さて、長い年月を越えて、ルアーは使うことはできましたが、タックルボックスは有効に使えている気がしません。
私はタックルボックスを持って釣りに行くことはありませんし、家でルアーを入れておくなら、適当なプラのケースの方がずっとコンパクトですし、そのまま釣り場にも持っていけます。
しかし、おそらくこのタックルボックスの前の持ち主の人は、タックルボックスを持って釣りに行っていたのかもしれません。
屋外でついたような汚れや傷が、いくらか見られたからです。
考えてみると、古いルアー釣りの本には、タックルボックスを片手に持って釣りに行く様子が、よく紹介されています。
岸釣りでも、船釣りでも、昔はタックルボックスを持って釣りに行く人が、沢山いたのかもしれません。
今になって考えてみれば、何でそんなに不便なことが普通に行われていたのか、全くもって分かりません。
タックルボックスを持って釣りに行くと、移動の邪魔になりますし、ルアーの交換にも手間がかかりますし、何一つ良いことはないはずです。
とりあえず本などに紹介されている通りのスタイルで、ルアー釣りを始めてみた釣り人達も、時代の流れとともに、タックルボックスを持って釣りに行くことが、いかに非効率的であるか、釣り人は気づいていったのかもしれません。
そんなわけで、現在ではオールドタックルを使うバス釣りの人達くらいしか、タックルボックスを持って釣りに行く人はいないでしょう。
私はオールドタックルを使って釣りをする人間ですが、動きやすさや効率は結構重視するタイプです。
ルアーは小さなタッパーやケースに入れて釣りをしています。
オールドのタックルボックス自体はかっこ良いと思いますが、とても自分には有効に利用できそうもありません。
そんなわけで、家に置いておいて家族が躓いたりして邪魔者扱いされるくらいなら、大事に使ってくれる人に譲ってしまおうと思い、アムコのタックルボックスはオークションで売ってしまいました。
結構な値段になりびっくりしましたが、コレクションにするような美品ではなかったので、今頃どこかでガンガン使ってもらえているのはないでしょうか。
トップウォータープラグをびっしりと並べてもらい、60オーバーのバスの顔でも見せてもらっていてほしいものだな、と思っています。