もう気づけば12月。
ボーナスなんてものが貰える方々は、これを機に欲しかった高級リールを買おうと思う人も少くないかもしれない。
みっちゃんとリール。
よく日本のメーカーのリールは、自動車のようだと喩えられている。
数年間隔でモデルチェンジを繰り返し、その度に「前作より、こんなに凄い!」とアピールして、消費者に買ってもらう作戦をメーカーがとっていることが、そっくりなのだ。
何十年も同じリールを使われたのではメーカーは儲からないから、たとえ古いリールがまだ使えても、それを「ダメな物だ」とコケにして新作を買ってもらおうとする。
車屋さんも車検が近づく度に、まだその車はピンピンしていてバリバリに走るのに、「新車を買わないか」としつこく誘ってくる。
俗に言う、大泉洋のいとこのみっちゃん作戦である。こういった点も、とても良く似ている。
【爆笑】大泉洋さんの車購入話!従兄弟の『みっちゃん』に車を買わせられた!? - YouTube
ちょっと数年前は、あんなに自賛しまくっていた物を、数年後には急に時代遅れのようなものだと言い始める。
こんなメーカーの態度を見ていたら、良識ある普通の人間なら「なんだかウソくさい」とか「あんなに大金を払ったのに、裏切られた気分だ」と思うのではないだろうか。
「ヤバイ!新しいのを買わなきゃ!」と言われたままに思う人は、バカか子供だけだろう。
そもそも、「何年かに一度モデルチェンジをして、一発高い物を買わせる」という自動車方式が、釣りのリールの売り方に合っているのだろうか。
車は、極一部の人々を除けば、一人で何台も買うものではないだろう。だから、売り上げを伸ばすためには、なんとか短い間隔で買い替えてもらうしかない。
しかし、釣りのリールは、一人で何台も買うのが普通だ。
用途や種類によって、いくらでも買い足す可能性がある。
それならば、一点豪華主義でバカ高い高級リールを、モデルチェンジを繰り返して売るよりも、そこそこの値段で長年使えるような、信頼される物を売り続けるべきなのではないだろうか。
そうすれば、その人はその商品なりメーカーを心から信用して、一生毎年のように他のサイズや種類のリールを買うかもしれない。
カメラの世界には、「撒き餌レンズ」と呼ばれるものがあるようだ。
初心者が手を出しやすいそこそこの値段で、そこそこ良いレンズを出し、それをきっかけにレンズ購入の道にハマらせていく、という作戦がとられているらしい。
釣りのリールも、車屋さん作戦より、こっちを目指すべきではないだろうか。
もしかしたら、私が知らないだけで、既にリールの世界も「撒き餌レンズ作戦」が行われているのかもしれない。
もしくは、過去には「そこそこの値段で長年使えるような、信頼される物を売る」方針だったこともあるのかもしれない。
しかし、今日のリール販売の世界は、新商品で消費者を飛び付かせるような作戦が主流であるとしか見えない。
これは、結局のところ、日本の釣り人には、自分の頭で何が良い物か判断できる人が少なく、メーカーに言われたことを鵜呑みにする、バカと子供が多かっただけということなのかもしれない。
よく釣り具屋さんで流れている釣り専門チャンネルの番組の、なんともアホっぽい雰囲気からしても、この説はそう間違いではないと思えてくるのだが、どうだろうか。