スピニングリールにラインを巻くと、最近のリールなら、綺麗にフラットかやや逆テーパー(逆富士山型)に巻かれることがほとんどでしょう。
これは、このような形状にラインを巻くことが、ライントラブルを防ぐためにベストであるとされているためです。
ところが、古いリールや、近年のリールでも個体差やラインの太さの影響によっては、後ろ巻き(富士山型)にラインが巻けてしまうことがあります。
このような場合は、ちょっとした工夫をするだけで、巻き形状を調整することができます。
いくつか方法があるので、説明していきたいと思います。
スプール下のワッシャーの数を調整する。
近年のリールは、スプールがシャフトで止まる部分に、いくつか薄いワッシャーが入れてあり、その数を変えることで、巻き形状を微調整することができる物が多いです。
この場合は、後ろ巻き過ぎるのなら、ワッシャーを減らし、前巻き過ぎるのなら、ワッシャーを増やせば、一瞬でラインの巻き形状のテーパー調整ができます。
下巻きの形状を手で巻いて調整する。
スプール下にワッシャーが入る仕組みでないリールの場合に、一番簡単に巻き形状を調整できる方法が、下巻きのラインを手で巻いて調整する方法です。
ラインが後ろ巻きに巻けるのなら、その分前巻きに、逆の場合は後ろ巻きに、下巻きを巻く途中でいくらかラインを手で巻いて、形を調整しておきます。
その後にメインラインを巻けば、巻き形状は調整できます。
原始的な方法ですが確実です。
何度かやってみるうちに、どの程度の形に下巻きをすれば良いのか、感覚が掴めてくるものなので、いきなり新品のラインでやらずに、不要な古いラインなどで試してみた方が良いでしょう。
コルクテープやビニールテープを巻く。
下巻きのラインの代わりに、コルクテープやビニールテープをスプールに巻くことでも、巻き形状を調整することができます。
ちょっと古いリールなどでは、スプール自体が順テーパーになっていることがあります。
このような場合には、コルクテープやビニールテープを、スプールの溝の上部にだけ少し巻き付け、逆テーパースプールに変えてしまえば良いのです。
失敗しても簡単に剥がせるので、これも気軽な方法です。
ローターの下にワッシャー入れて上げる。
ここからは、リールを分解する必要が出てくる方法となるので、リールをバラす自信がない人はやらない方が良いでしょう。
後ろ巻きに巻けてしまう場合に、ローターを外して、その下に薄いワッシャーなどを入れ、ローターの位置を上げれば、巻き形状を前に出すことができます。
ただし、これはやりすぎると、リールの他の部分の動作に影響が出かねないものなので、慎重に行うべきでしょう。
以上のように、スピニングリールの巻き形状のテーパーを調整する方法には、様々な方法があります。
他にもシャフトの長さを変えるなどの方法もありますが、余程ひどい後ろ巻きなどでない限り、そこまでのことをしなくても、これらの方法で簡単に調整することができます。